ソーラー・パネルの自動洗浄に可能性 〜 磁性流体を使った新技術が登場
- 2014年8月11日
- 環境ビジネス
ソーラー・パネルの表面の汚れを自動的に落とす可能性がある新技術が開発された。
オイルプライス誌によると、マサチューセッツ工科大学(MIT)とサウジアラビアのキングファハド石油鉱物資源大学(KFUPM)の研究班は、磁気を使って微粒子や液体の動きを能動的に制御できる表面構造を開発し、その詳細を応用物理学専門誌「アプライド・フィジクス・レターズ」に発表した。
MITのクリパ・バラナシ准教授(機械工学)によると、既存の方法では、表面に付いた液体や粒子を動かすには重力といったほかの力を必要とするが、新技術では、油といった液体に細かい磁気粒子を混ぜて磁力に反応するようにした磁性流体(フェロフルード)を使う。
表面に微細の突起を並べてフェロフルードを浸透させておくことで、表面に付いた液体や粒子がフェロフルードで薄く覆われ、フェロフルードが磁力に反応して動く時に付着物も一緒に動く。
磁力を使って液体や粒子を動かす方法はこれまでにもあったが、最初から磁気を帯びた物質だけが対象で、それを動かすには強力な磁界が必要だった。新技術では、非常に滑りやすい表面を作ることで摩擦をほぼゼロにし、弱い磁界でも付着物を動かせるという。
太陽光発電は発電効率が悪いのが難点で、最高でも約25%にとどまる。また、パネルは屋根上に設置されることが多く、雨や風で運ばれる異物にさらされ、ほこりや湿気が付くと効率は一層下がる。
ソーラー・パネルや集光型太陽熱発電に使われる集光板(鏡)の付着物は大きな問題で、鏡の発電効率は週にほぼ1%のペースで低下するというデータもある。
現在はホースで水をかけて除去するしかないが、水や手間がかかる。その点、新技術を使えばコストが安く、自動化でき、水も必要ない洗浄システムを開発できる可能性がある。
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