ソーラー・パネルの自動洗浄に可能性 〜 磁性流体を使った新技術が登場

 ソーラー・パネルの表面の汚れを自動的に落とす可能性がある新技術が開発された。

 オイルプライス誌によると、マサチューセッツ工科大学(MIT)とサウジアラビアのキングファハド石油鉱物資源大学(KFUPM)の研究班は、磁気を使って微粒子や液体の動きを能動的に制御できる表面構造を開発し、その詳細を応用物理学専門誌「アプライド・フィジクス・レターズ」に発表した。

 MITのクリパ・バラナシ准教授(機械工学)によると、既存の方法では、表面に付いた液体や粒子を動かすには重力といったほかの力を必要とするが、新技術では、油といった液体に細かい磁気粒子を混ぜて磁力に反応するようにした磁性流体(フェロフルード)を使う。

 表面に微細の突起を並べてフェロフルードを浸透させておくことで、表面に付いた液体や粒子がフェロフルードで薄く覆われ、フェロフルードが磁力に反応して動く時に付着物も一緒に動く。

 磁力を使って液体や粒子を動かす方法はこれまでにもあったが、最初から磁気を帯びた物質だけが対象で、それを動かすには強力な磁界が必要だった。新技術では、非常に滑りやすい表面を作ることで摩擦をほぼゼロにし、弱い磁界でも付着物を動かせるという。

 太陽光発電は発電効率が悪いのが難点で、最高でも約25%にとどまる。また、パネルは屋根上に設置されることが多く、雨や風で運ばれる異物にさらされ、ほこりや湿気が付くと効率は一層下がる。

 ソーラー・パネルや集光型太陽熱発電に使われる集光板(鏡)の付着物は大きな問題で、鏡の発電効率は週にほぼ1%のペースで低下するというデータもある。

 現在はホースで水をかけて除去するしかないが、水や手間がかかる。その点、新技術を使えばコストが安く、自動化でき、水も必要ない洗浄システムを開発できる可能性がある。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

Universal Mobile
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  2. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  4. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  5. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  6. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  7. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  8. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
ページ上部へ戻る