ABB、送電量2倍以上のケーブルに期待 〜 洋上風力施設の規模拡大に寄与

 ABBは、洋上風力発電施設からの送電容量を現行の2倍以上に拡大する新しい配線技術に期待を寄せている。

 リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、同社はその技術によって、今後数年間にわたって電力システム事業部門の受注が増加するという見方を示した。

 「当社にとって過去5年でもっとも重要な技術革新の一つだ」「それがなかったために実現できないプロジェクトがあることも分かっている」と、ABBのクラエス・ライトフト最高技術責任者は語った。

 同技術には、高圧ケーブルと接続部品や終端部品が含まれている。それによって、配線接続の送電容量は現在の1000メガワットから約2600メガワットに拡大する。その結果、これまで以上に大規模の洋上風力発電施設の開発が可能になる。

 ABBの電力システム事業部門は、複雑な再生可能エネルギー開発プロジェクトの遅れを受けて、ここしばらく低迷してきた。

 欧州市場では、ミラノを本拠とするプリズミアン(Prysmian)とパリを本拠とするネクサンス(Nexans)が、高圧ケーブル市場でABBと競合している。

 ABBは、需要増大に対応するために高圧ケーブルの生産容量を拡大しており、スウェーデンのカールスクルーナにある生産施設の拡張に2015年までの4年間で4億ドルを費やす。

 ABBにとって同技術の受注第1号は、ドイツとイギリスの送電網システム会社から入る可能性が高い。ライトフト氏は、すぐにも受注というわけにはいかないものの、開発プロジェクトの入札に際してABBの地位を強化し、数年かけて受注が伸びていくと説明している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  2. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  3. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040」を自身...
  5. ニューヨーク市内で「一軒家」を探すのは至難の業です。というのも、広い敷地に建てられた一軒家...
  6. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  7. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  8. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
ページ上部へ戻る