アップル・ウォッチ、3仕様、349ドルから 〜 新型アイフォーンは大型化
- 2014年9月9日
- ハイテク情報
アップル(Apple)は9日、スマート腕時計と新型アイフォーン(iPhone)2種類を予定通り発表し、やや停滞し始めていると懸念される革新的な製品開発力をあらためて示そうとしたが、アイポッド(iPod)や初代アイフォーンの発表時に比べると、驚きに欠ける内容だと言える。
今回の発表会は、スティーブ・ジョブズ体制からティム・クック体制に移行したアップルにとって初めての新製品披露で、身体装着型端末市場参入を果たすスマート腕時計がどれほど革新的かに関心が集まっていた。
ロイター通信およびテッククランチ誌によると、スマート腕時計製品のアップル・ウォッチ(Apple Watch)には、標準仕様とスポーツ仕様、そして高級仕様(18金塗装)の3種類があり、ファッション・ブログ「リファイナリー29」のアンジェラ・タフォヤ氏は、「競合製品と比べると、圧倒的に洗練された外観と設計で優雅でもあり、3種類の仕様もそろっている」と非常に高く評価している。
アップル・ウォッチは、サファイア・グラスを採用され、実質的に傷がつかないディスプレイを搭載。バンドには6種類あり交換可能で、男性用と女性用の二つの大きさがある。
機能面では、心拍検知機能やデジタル地図(道案内)、モバイル決済機能、デジタル・タッチ(指触機能によって図柄を描いて送受信する機能)がある。
大きな特徴としては、デジタル・クラウンと呼ばれる竜頭(りゅうず)が挙げられる。競合製品には竜頭がないが、アップル・ウォッチは、時計らいしい外観を演出すると同時に、画面変更やカスタマイズできる操作器として竜頭が付けられている。
また、音声認識機能シリ(Siri)による音声操作のほか、電磁誘導充電とアップル独自のマグセイフ(MagSafe)技術による非接触充電機能も大きな特徴だ。
クック氏はアップル・ウォッチの発売時期を「来年初め」と述べ、技術的課題による量産遅延といううわさが事実であることを間接的に認めた。当初は、2014年の歳末商戦向けに11月に発売される計画だったと指摘される。アップル・ウォッチの小売価格は349ドルから。
目新しい健康関連機能は明らかになっていないが、アプリケーション開発業者らによる今後のアプリケーション開発によって、アップル・ウォッチ単独型やアイフォーンとの連動型の各種のアプリケーションが各社から投入されることは確実だ。
一方、新型アイフォーンには、うわさされてきた通り4.7インチと5.5インチの2種類がある。前者はアイフォーン6、後者はアイフォーン6プラスと命名された。世界で200キャリヤーに対応する。そのなかには中国の3大キャリヤーも含まれる。
今回の新機種はアイフォーンにとってはこれまでで最大の刷新と言える。スクリーンにはサファイア・グラスが採用され、アイフォーン6プラスは解像度1080pの高画質ディスプレイを搭載。
また、より高機能のデジタル・カメラのほか、新型チップのA8も搭載される。新型チップは、従来チップより演算処理が25%強力で電力消費量が50%少ない。
機能面での最大の特徴は、アップル・ペイと呼ばれるモバイル決済機能で、米国市場で10月から使えるようになる。近距離無線通信(NFC=near field communication)によってアイフォーンとクレジット・カード読み取り機が交信し、アイフォーンに登録されたクレジット・カード情報をもとに決済が完了する仕組み。
アップルが先に発表したヘルスキットという健康関連サービスと新型アイフォーンの連動については明らかにされていない。
一方、専門家の一部では、アップル・ウォッチがアイフォーンやアイパッドの同様に企業市場に浸透する可能性を指摘する声も上がっている。
アップル・ウォッチがそのほかの「アイ機器群(i-devices)」とどのように連動することで利用者の生産性をあげるかについては、まだ不透明ながらも、各社のIT管理部門や開発業界がアップル・ウォッチの業務利用可能制を探ることは確実視される。
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