米国内の洋上風力発電計画、ようやく活発化 〜 北東部で14件が動き出す
- 2014年9月15日
- 環境ビジネス
コストの高さや地元の反対を受けて長年停滞していた米国内の洋上風力発電計画は最近ようやく活発化し、現在、14件が「次の段階」に進んでいる。
USAトゥデイが伝えた米エネルギー省の報告書によると、14件のうちマサチューセッツ州ナンタケット湾沖の「ケープ・ウィンド」計画と、ロード・アイランド州沖のディープウォーターによる「ブロック・アイランド」計画の2件は、すでに建設の初期段階にあり、残りはリースの契約、大規模研究の実施、電力購入契約の確保を進めている。
14計画のうち9件は東海岸、残りはカリフォルニア、テキサス、オハイオ、オレゴン、米領バージン諸島。すべて完成した場合の合計最大出力は約4.9ギガワット(GW)。
陸上の風力発電設備が現在、総出力61GWで米電力需要の約4.5%を供給しているのに比べると、規模はまだ小さいが、2030年までに54GW以上を電力供給網に加えられる可能性がある。
エネルギー省の調査に関わった電力および自動化技術大手ABBのジョン・ダニエル氏は、「洋上風力発電計画の最大の障害は設置コストの高さ」「特に、シェール革命によって米国内天然ガス価格が低下している現在、コストの課題が相対的に大きくなっている」と話す。
それでも、洋上風力発電は発電源が消費地に近くなるため、長期的には費用節約効果が大きくなる可能性があり、米国のエネルギー・コストを年間76億8000万ドル減らせると見込まれる。
洋上風力発電は、化石燃料の使用に課される炭素税が導入されれば価格競争力が高まるほか、最近の天然ガス価格の上昇や、2030年までに既存の発電所の炭素排出量を30%削減するという環境保護庁(EPA)が提案する政策の恩恵を受ける可能性もある。
2014年6月に発表されたEPAの提案は2015年に最終決定される予定で、それによって多くの石炭火力発電所が閉鎖される可能性が高い。
世界的には、洋上風力発電施設の設置コストは2011年以降6%減少している。現在、世界の総出力は7ギガワットで、施設のほとんどは欧州北西部にある。しかし、最近では中国で激増している。洋上風力発電の総出力は2013年に前年から50%増え、増加分の半分は英国が占めた。
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