日本で「ゼロ・エネルギー」建物開発が積極化 〜 大成建設、外壁発電を実証
- 2014年10月6日
- 環境ビジネス
日本の建設大手各社は、「ゼロ・エネルギー」建物の概念を積極的に追求している。
クリーンテクニカ誌によると、日本は2014年4月に、公共の新築建物すべてを2020年までにゼロ・エネルギーとし、2030年までには民間の新築建物もそれに追随させる目標をあらためて確認した。
EUでは2020年までに「ほぼゼロ・エネルギー」を目指しており、米国は2025年までの商業施設エネルギー・コスト効率化を打ち出している。日本の目標は欧米よりも積極的な内容だ。
ゼロ・エネルギー建物の概念を実現するにあたっては、屋上や外壁のソーラー・パネルで晴天の日中に発電して蓄電し、夜間や曇天の日の電力として使用する必要がある。屋上のパネル設置は決して珍しいことではないが、外壁のパネルは新たな発想であり、日本が他国に先駆ける可能性が高い。
外壁に設置されるパネルは薄型軽量で柔軟性がある一方、屋上設置型のパネルに比べて現時点では発電効率が低く高価だ。三菱化学では、この種のパネルを2015年以降に大量生産したい考えだ。
大成建設が5月に横浜スマート・シティー・プロジェクトの一環として完成させた3階建てのオフィス・ビルは、屋上と外壁にソーラー・パネルを設置した。遅くとも初年度終わりまでにはネット・ゼロを達成する見通しだ。その建物は送電網に接続されているが、ほとんどの電力を自家発電で賄っており、余剰電力を送電網に送り込むことができる。
同建物には、動作検知器で作動する照明や、屋外の風方向を観測して窓を開けるべき時を知らせる検知器も取り入れられた。空調の吹き出し口は各机脇の足元に設けられており、社員がそれぞれ空量や方向を調節できる。
大成建設によると、その建物は、同等規模の従来型の建物に比べてエネルギー消費量が4分の1だという。
また、鹿島建設は、中層または高層のゼロ・エネルギー建物を2020年までに建設する計画を検討している。そのほか、大林組は、建材や建設工事中のエネルギー消費量も相殺する「ライフサイクル・ゼロ・エネルギー」建物を構想している。
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