化学大手プラットフォーム、アリスタを買収か
- 2014年10月7日
- 米国ビジネス
化学業界の再編が加速する中、投資家のウィリアム・アックマン氏らが出資する特殊化学品会社プラットフォーム・スペシャルティ・プロダクツ(フロリダ州)によるアリスタ・ライフサイエンス(Arysta LifeScience、アイルランド)の買収交渉が進展している。
ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えたところによると、アリスタは現在、欧州のプライベート・エクイティ大手ペルミラ(Permira)が所有する農業用化学品大手。時価総額は負債を含めて約35億ドルと推定され、数週間以内に合意が成立する可能性がある。
プラットフォームはこのところ積極的に買収を行っており、2013年は工業および電子製品関連の化学品を生産するマクダーミッドを約18億ドルで、14年4月には特殊化学品ケムチュラを約10億ドルで買収している。アリスタの買収が実現すれば、同社では過去最大規模となり、同社の時価総額はほぼ2倍に拡大する。
アリスタは01年に日本で設立された企業で、カビ、雑草、害虫などを駆除する農薬を生産する。ペルミラは08年に投資会社から約22億ドルでこれを買収し、現在はダブリンを拠点にしているが、14年9月には米国で新規株式公開(IPO)を申請している。プライベート・エクイティ会社は、投資リターンの最大化を図ってビジネスの売却とIPOを同時に行うことも多い。
化学業界では業界再編が進行中で、市場調査のディーロジック(Dealogic)によると、化学および農薬業界のM&Aは今年だけで998億ドルと前年同期の約3倍に上っている。再編は主に株主によって進められており、最近ではダウ・ケミカルが、物言う株主(アクティビスト)として知られる投資家ダニエル・ローブ氏などからの圧力を受け、合計20億ドル以上の利益が期待される3事業の買収を計画中と発表した。トリアン・ファンド・マネジメントは、業界大手デュポンに低成長事業を処分するよう圧力をかけている。
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