カリフォルニアにようやくシェール革命 〜 輸送用大型鉄道ターミナル建設へ

 フラッキング(水圧破砕法)に代表される新技術の登場で米国内の石油および天然ガス生産量は飛躍的に増えたものの、カリフォルニア州はその恩恵にはほとんど無縁だった。州内には多くの製油所があるにもかかわらず、国内産原油を遠方に運ぶ手段がなかったためだが、最近はこの状況に変化が表れている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、「シェール革命」によって米国の原油輸入量は過去10年間で30%減少したが、加州だけを見ると30%以上増加し、州の原油流通の半分以上を外国産が占めている。

 その理由の一つは、他州で採れた原油をパイプラインで引き込もうとしてもロッキー山脈に阻まれて大規模の設備を造れないためだ。もう一つは、原油を鉄道輸送するための線路はあっても、原油の積み降ろしや保管ができるターミナルが不足しているためだ。

 ノース・ダコタのバッケン・シェールで採れる安いシェール油は、大部分が米東部やメキシコ湾岸まで鉄道輸送され、ガソリン価格の抑制に寄与している。その一方で、鉄道で加州に運ばれる石油は月間わずか50万バレルと州内流通量の1%に過ぎず、加州の製油所は北米で最も高い原油を使うと言われている。

 鉄道ターミナルが少ないのは、許認可取得に煩雑で長期間の手続きが必要なことが一因だ。消火設備のほか、脱線や爆発に備えた訓練費用として石油の鉄道輸送に手数料の課金を求める声もある。また、カナダで最近起きた鉄道事故を見て、原油輸送は危険と考える州民や環境保護派も増えている。

 ところが、ベイカーズフィールドに州最大規模の石油鉄道ターミナル建設を計画するアロンUSAエネルギー(Alon USA Energy、テキサス州)に対し、カーン郡の建設許可が9月に下りた。1日に15万バレルの取り扱いが可能で、同社は2015年の完成を目指す。

 建設予定地は、かつてアロンのアスファルト精製所だった場所で、ロサンゼルスの北110マイルに位置する。同精製所は採算が取れず2012年に閉鎖されたが、アロンはターミナルとともに工場も改修して再開する予定。鉄道で運ばれる原油の多くは州内の他社の製油所にパイプラインで送られる。

 9月にはまた、環境団体が石油およびガス輸送大手キンダー・モーガンを相手に起こした北カリフォルニアでのターミナル建設認可差し止め訴訟で、裁判所は原告の訴えを棄却した。同社は現在、州内リッチモンドにあるエタノール用の鉄道ターミナルで原油を受け取っている。

 それらの新しいターミナルが計画通りに完成すれば、2016年までには加州への原油鉄道輸送量が1日50万バレルへと飛躍的に増える。

 また、ワシントン州バンクーバーでも、ノース・ダコタ産シェール油の受け皿として1日36万バレルを取り扱える鉄道ターミナルが建設される予定だ。タンク車の原油をそこではしけに積み替え、コロンビア川経由でカリフォルニアの港に輸送するという計画がある。ただ、同計画も認可の遅れで着工が延期されている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

デジタル版を読む

saishin フロントライン最新号
ページ上部へ戻る