水道技術の新興企業に商機到来のきざし 〜 水不足を追い風に好調に市場開拓

 水道関連技術を手がける新興企業が、水不足問題に対して柔軟性のある解決方法を提案して市場を開拓している。

 世界各地で水不足が深刻化するにつれ、水道管の検知器やろ過システムを開発する新興企業にとって市場が見つかりやすくなっている。

 イスラエルのタカドゥ(TaKaDu)はそうした企業の一つだ。

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、同社は、アルゴリズムを使った分析技術を開発しており、ここ数年は節水意識の高い水道会社が増えているため市場を開拓しやすくなった、と設立者のアミール・ペレグ氏は話す。

 ただ、下水処理技術を手がける新興企業には、やや厳しい環境がある。同分野の事業モデルは従来型の取り組み方を踏襲する傾向にあり、競争も激しいためだ。

 また、下水処理技術の多くは大学の研究から派生しており、商業化が優先課題とされていないという側面もある。

 シンガポールの新興企業メンブレーン・インスツルメンツ&テクノロジー(Membrane Instruments and Technology)は、都市水道基盤向けの検知器を開発しているが、ベトナムの非都市部で飲料水の需要があることを知り、自社の検知器を応用する別会社デメム(De.Mem)を設立して、小規模の下水処理施設の建設に乗り出した。

 デメムのアンドレ・クロール氏によると、検知器の販売は優先事業ではない。下水処理施設の運営のほうが魅力的な事業モデルだという。

 世界各地で水不足は深刻化しており、米国企業にも影響を及ぼすようになっている。インドでは、干ばつに見舞われた農業従事者が地元のコカ・コーラの製造工場に反対運動を起こすという出来事があった。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る