携帯利用者のネット行動追跡〜ベライゾン、スーパークッキー使い
- 2014年11月11日
- 米国ビジネス
通信サービス大手ベライゾン・ワイヤレスが、「スーパークッキー(supercookie)」と呼ばれる新型の強力なクッキーを使って、1億人以上の携信端末によるインターネット活動を追跡していることが分かった。プライバシー保護団体の電子フロンティア財団(EFF)が報告書で発表した。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、スーパークッキーは検知がほぼ不可能で、端末利用者がブラウザのプライバシー設定でクッキー受送信を遮断したり、履歴を残さないようにするインコグニート(匿名)モードを使ったりしても拒否できないという。
クッキーは、初めて訪れたウェブサイトから通信端末に配布される識別用の小さなファイル。再びアクセスした時にサイトがユーザー名を認識するなど便利な半面、サイトに個人情報を登録した場合に手掛かりとして悪用される恐れがある。
EFF報告書によると、ベライゾンは2012年11月から、スーパークッキーを使って個人契約者1億600万人の追跡を始めた。利用者にはこのプログラムから除外されるオプションもあることを知らせているが、何人が除外を望んだかは不明。EFFによると、除外を選択してもスーパークッキーの機能は完全に停止せず、人口統計関連の情報が広告主に渡らなくなくなるだけだという。
スーパークッキーを使って端末利用者がアクセスするサイトを分類すれば、個人の好みや関心が分かるため、ベライゾンはこの情報を広告主企業による対象を絞ったマーケティングに役立てている。同業のAT&Tも現在、同様のスーパークッキーを試験中で、プライバシー保護団体などは、このままだとこうした追跡ツールを使う通信会社が増え、ユーザー情報の収集量が劇的に増えるとみて警戒している。
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