外部監査受けたのはたった4社〜紛争鉱物の排除で、1300社調査
- 2014年11月14日
- 米国ビジネス
2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)の一部として、紛争地で生産された鉱物(conflict minerals)を原材料に含む商品を扱う国内企業は連邦政府への報告と情報開示が義務づけられた。ところが、これまでに外部の監査機関を使って自社の供給網を検査したのは1300社の対象企業のうちわずか4社だったことが、法律事務所シュルト・ロス&ゼイベル(SRZ、ニューヨーク州)の調査で分かった。
紛争鉱物は、コンゴ民主共和国など中央アフリカの政情不安定地帯で産出され、一帯の武装勢力の資金源となっている金、スズ、タングステン、タンタルなどの鉱物を指し、初回の活動報告期限は今年の6月2日だった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、SRZ調査では、約80%の企業が「供給網に紛争鉱物が含まれているかどうか判断できなかった」と報告した。外部の監査機関を使って調査したのは、半導体大手インテル、電子部品メーカーのケメット、ドイツのテクノロジー大手フィリップス、小売店シグネット・ジュエラーズ。
「DRCコンフリクトフリー(コンゴの紛争鉱物なし)」として商品を宣伝したい企業は、こうした監査を受ける必要がある。ただし、監査機関は実際に対象企業の供給網から紛争鉱物が完全に根絶されたかどうか証明してはおらず、インテルの供給網検査状況を監査したアーンスト&ヤングは、インテルの半導体がコンフリクトフリーであるとは表明していない。
中には監査の義務づけに混乱している企業もあり、供給網コンサルティング会社ソース・インテリジェンスの調査によると、22社が監査を受けないまま「商品には紛争鉱物は使われていない」と答えた。
SRZのマイケル・リッテンバーグ氏は、商品に紛争鉱物が含まれていないことを来年の申請時に証明しなければ、その企業は同業や投資家からの圧力に直面する可能性があると見ており「今年は監査機関を使った報告の件数が少し増えるだろう」と話した。
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