ファイザーとメルク、がん免疫療法剤の開発で提携

 製薬大手ファイザーは19日までに、ドイツの製薬・化学大手メルクとがん免疫療法剤の開発で提携すると発表した。

 AP通信によると、ファイザーはメルクにまず8億5000万ドルを支払い、今後認可される薬品の数や将来の売り上げに応じて合計で最高20億ドルを支払う。両社が開発するのは、単独または他の抗がん剤と組み合わせて数種類のがんを治療する薬で、2015年には最大20件の臨床試験を開始する。

 ファイザーが抗がん剤の開発に力を入れ始めたのはわずか数年前だが、がん治療薬部門責任者のアルバート・ブアラ氏は「がん免疫療法剤はファイザーの最優先分野」と説明する。抗がん剤はその高価さから薬品の中では圧倒的に売り上げの大きな部門で、医療情報IMSヘルスによると、13年の世界売上高は670億ドルを超えている。

 がん免疫療法は、体内に隠れたがん細胞を異物と認識し排除する人体の免疫反応を利用した近年注目が高まっている新療法で、複数の大手が試験を行っている。この分野の薬で最初に当局の認可を得たのはブリストル・マイヤーズ・スクイブで、14年7月に日本で根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)患者向けに「オプジーボ」の製造販売が認められた。

 ファイザーとメルクは、まずメルクが開発中の抗PD-1抗体「MSB0010718C」の臨床試験を実施し、認可を申請する予定。この薬はすでにさまざまな種類のがん患者550人以上に初期試験を実施しており、目覚ましい結果が出ているという。また、ファイザーが開発中の抗PD-1抗体に関する初期試験も行う。

 このほか両社は、ファイザーの抗がん剤「ザルコリ」の販売でも協力する。同薬は、特定の遺伝子変異を持つ非小細胞肺がん(NSCLC)患者向けに75カ国以上で承認されているが、14年1〜9月の売り上げは1億1200万ドルにとどまっている。

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