住宅向け配送に追加料金〜UPS、年末商戦のコスト高で

 小包配送最大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、昨年の年末商戦で経費が大きく膨らんだことを受け、住宅向け配送サービスに追加料金を請求する。

 ロイター通信によると、同社は昨年の商戦期、高い需要を見込んで多くの労働者や機材をつぎ込んだが、業績は期待したほど伸びず、2014年10〜12月期は減益となり、特に国内陸送部門ではコスト高の影響が響いている。

 これを受けてデイビッド・アブニー最高経営責任者(CEO)は今月上旬、住宅向け小包にサーチャージを適用すると発表した。追加料金は大口顧客との契約更新が済むまで数年にわたって適用される予定で「この価格戦略は、当社が受け取る報酬が提供するサービスに見合うことを明示するために作られる」と説明した。

 UPSは、書き入れ時である年末商戦が2年連続で振るわなかった。13年は準備態勢が整わないところにクリスマス直前にネット通販の速達小包が殺到。処理が追い付かずに1300万個がクリスマス以後に配達されたと見られている。

 このため14年は、5億ドルを投じて組織網を改善し、小売店とも緊密な協力体制を整えたが、eコマースの人気がそれ以上に高まり、取扱量の予想は動く標的を追うような状況となった。

 14年4Qの決算は、純利益が11億5000万ドルと前年同期比で約2%減少。売上高は6%増の159億ドル。そのうち国内陸送部門は7.5%増加したものの、営業経費が76億5000万ドルから92億ドルと20%以上も増加したため、同部門の営業利益は60%以上減少した。

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