エッフェル塔で風力発電が稼動 〜 景観を損ねないタービン2基を構造内部に
- 2015年3月2日
- 環境ビジネス
パリのエッフェル塔に設置された小型風力発電設備が稼動した。
エッフェル塔は2014年の秋に、過去30年間でもっとも野心的と位置付けられる改修工事を完了した。
クリーンテクニカ誌によると、2基の小型風力タービンだけは改修工事の完成から遅れる格好となったが、それがこのほど稼動し、塔の商業施設部分の電力をすべて賄えるだけの発電を開始した。
エッフェル塔の改修工事では、パリ市の気候変動対策計画に則って持続可能性が重視された。窓ガラスに新しい塗装を施して室温上昇を抑え、冷房効率を25%高めた。そのほか、新しい暖房ポンプとLED照明が導入された。また、ソーラー・パネルも設置され、二つのパビリオンで使用する温水の約半分を賄えるようになった。
雨水収集システムは、水洗トイレの水道を提供している。同システムを導入したことで、上階に水道を送るためのポンプが不要になり、電力削減にもつながった。
UGE(Urban Green Energy)製の風力タービンは、2基合わせて年間1万キロワット時の出力が可能だ。風力タービンは、地上400フィートあたりの塔の構造内部に取り付けられている。
UGEは、アメリカン・フットボール球団フィラデルフィア・イーグルスの本拠地にも小型風力タービンを提供した実績がある。
タービンは、特製の塗装を施して塔の構造に溶け込むよう工夫されている。設置されていることは見て取ることができるが、美観を損ねるほど目立つものではない。
年間700万人の観光客が訪れるエッフェル塔は、世界遺産の一部になっているが、いまでも現役の放送用アンテナ塔として機能している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行
-
ハーバード大、急速充電が可能なリチウム金属電池を開発
-
2024年3月21日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
6割がブランドより接続性重視~EVドライバー調査、マッキンゼー