エッフェル塔で風力発電が稼動 〜 景観を損ねないタービン2基を構造内部に

 パリのエッフェル塔に設置された小型風力発電設備が稼動した。

 エッフェル塔は2014年の秋に、過去30年間でもっとも野心的と位置付けられる改修工事を完了した。

 クリーンテクニカ誌によると、2基の小型風力タービンだけは改修工事の完成から遅れる格好となったが、それがこのほど稼動し、塔の商業施設部分の電力をすべて賄えるだけの発電を開始した。

 エッフェル塔の改修工事では、パリ市の気候変動対策計画に則って持続可能性が重視された。窓ガラスに新しい塗装を施して室温上昇を抑え、冷房効率を25%高めた。そのほか、新しい暖房ポンプとLED照明が導入された。また、ソーラー・パネルも設置され、二つのパビリオンで使用する温水の約半分を賄えるようになった。

 雨水収集システムは、水洗トイレの水道を提供している。同システムを導入したことで、上階に水道を送るためのポンプが不要になり、電力削減にもつながった。

 UGE(Urban Green Energy)製の風力タービンは、2基合わせて年間1万キロワット時の出力が可能だ。風力タービンは、地上400フィートあたりの塔の構造内部に取り付けられている。

 UGEは、アメリカン・フットボール球団フィラデルフィア・イーグルスの本拠地にも小型風力タービンを提供した実績がある。

 タービンは、特製の塗装を施して塔の構造に溶け込むよう工夫されている。設置されていることは見て取ることができるが、美観を損ねるほど目立つものではない。

 年間700万人の観光客が訪れるエッフェル塔は、世界遺産の一部になっているが、いまでも現役の放送用アンテナ塔として機能している。

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