グーグルも仮想現実市場に照準 〜 アンドロイド方式で先行組を追い抜く野望

 フェイスブック(Facebook)がオキュラス(Oculus)VRを20億ドルで買収し、仮想現実端末市場に進出したことは記憶に新しい。同市場にはソニーやマイクロソフト(Microsoft)、サムスン(Samsung)もすでに進出しており、そこにグーグル(Google)も参戦することになった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルは数十人の技術者による仮想現実事業部隊をすでに編成しており、そのほかの非技術系従業員らも同事業に携わっているもよう。

 グーグルは、世界で10億台以上のスマートフォンに搭載されているアンドロイドOSの成功モデルを仮想現実市場に応用する戦略だとみられる。

 仮想現実機器はこれまでのところ、市場にそれほど出回っていないものの、ビデオゲーム業界や映画業界を中心に多方面から注目されている。サンフランシスコで最近開かれたゲーム開発者会議では、オキュラス製品の実演を見ようと、多くの人が2時間前から行列を作ったほどだ。

 サムスンはオキュラスと提携して仮想現実ヘッドセットのギアVRを開発し、ソニーは、プロジェクト・モーフィアス(Morpheus)と呼ばれる仮想現実ヘッドセット開発計画を進め、マイクロソフトは、ホロレンズ(HoloLenz)と呼ばれる仮想現実機器を開発している。

 グーグルの狙いは、スマーフォンや身体装着型端末、テレビ、車のメーカーに無償提供したことで普及したアンドロイドのように、グーグルの仮想現実プラットフォームを普及させることだ。

 スマートフォン市場では、先行したアップルのiOSプラットフォームより後発のグーグル・アンドロイドのほうが圧倒し、成功を収めた。

 オキュラスは独自のOSを開発していることから、スマートフォン市場でのアップルのような立場と似ている。グーグルは、オープン・ソースの仮想現実端末用OSを無償提供することで、メーカー各社による採用を促す作戦だ。

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