アルミ対スチールが激化〜強度のアピールで譲らず

 自動車業界で繰り広げているアルミとスチールの両陣営は、素材が誇る強度のアピールを前面に押し出している。

 ワーズオートによると、フォードが2015年型「F-150」ピックアップの車体へのアルミの採用を発表して以降、自動車とアルミ、スチールの各業界では素材の利点をめぐる議論が過熱している。製品企画担当者やデザイナー、エンジニアは、フォードの戦略が奏功して競合自動車メーカーが追随するかどうかを注視している。

 アルミとスチールの両陣営は、戦場で兵士を守れるだけの強度を誇ると主張する。実際、フォードの広告でも「ミリタリーグレード」のアルミ合金と説明している。合金には、純アルミと異なり、少量の銅やマグネシウムなどが含まれる。フォードのサプライヤーであるアルコアは、軍用車「ハンヴィー(Humvee)」と同様にアルミ・ボディとスチール・フレームの組み合わせを採用している。

 F-150のアルミ車体が注目を集める中で、スチール陣営も攻勢を強めている。1月にデトロイトで開催された北米国際自動車ショーでは、スチール市場開発研究所(SMDI)が会場内のメディアが陣取る場所のそばにブースを設置。展示された鉄骨のシャーシの背後では、迷彩服に身を包んだ親子を描いたほぼビルボード大の幕に「性能においてスチールほど確かなものはない」とうたわれていた。

 スチールはF-150のフレームの77%に採用され、対するアルミはGMのシボレー「シルベラード」と「シエラ」ピックアップのエンジンブロックやシリンダーヘッド、ボンネット、フロントサスペンションに採用されている。

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