半導体業界、合併・買収加速化〜自動運転車視野に

 自動運転車の開発競争を追い風に、半導体業界における合併・買収(M&A)が加速化の様相を呈している。

 オートモーティブ・ニュースによると、オランダの半導体大手NXPセミコンダクターズは、米同業大手フリースケール・セミコンダクタを約118億ドルで買収すると発表した。両社の2014年12月期の売上高を合算すると102億8100万ドルとなり、日本のルネサスエレクトロニクスと競合する世界最大級の自動車向け半導体メーカーとなる。台風の目になる規模の合併だ。

 半導体はこれまで、ウィンドウ・スイッチなど数百の基本的な車両用タスクに活用されてきた。しかし、自動車メーカーが情報娯楽システムの拡充を進め、インターネットを通じて音楽のストリーミング配信やナビゲーション、音声ベースの支援などを提供するとともに、CPU性能が次世代の車両開発の鍵を握るに至った。開発の最先端を行く自動運転車はより強力かつ万能のチップを求め、インテルやエヌビディアなどパソコン業界の半導体大手も自動車業界に呼び込んでいる。

 フリースケールで自動車用マイコン部門を統括するマット・ジョンソン氏によると、自動車市場への進出を図る半導体メーカーの課題は、家電用を上回るチップの耐久性にある。フリースケールが今夏発売するチップは、「ドライバー支援」機能にとどまらない安全性・信頼性を自動車メーカーに供給できるという。

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