IBM、医療向けにワトソンを商業化 〜 アップル、J&J、メドトロニックと提携

 IBMは、同社の人工知能システム「ワトソン(Watson)」を活用した医療情報向けクラウド電算システムを開発することを明らかにした。

 同社は、1970年代までさかのぼる旧式の電子記録システムをクラウド基盤アーキテクチャーによって連携させ、膨大な量の医療関連データの解析を治療や医療システムの改善に役立てる考えだ。

 フォーブス誌によると、IBMはそれと同時に、医療分野でのワトソン活用を目的にアップル(Apple)とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J=Johnson And Johnson)、そしてメドトロニック(Medtronic)と提携した。

 IBMは、ワトソンの医療分野向け応用事業を優先事項と位置付け、専門部署を新設して約2000人を配置する。

 IBMはさらに、米国内5000万人分の医療記録へのアクセスを持つデータ解析技術会社エクスプローリース(Explorys)と、健康管理ソフトウェア提供のフィテル(Phytel)を買収することも明らかにした。買収額は非公開。

 アップルは今回の提携にともなって、アップルの開発者向けツール・システム「ヘルスキット(HealthKit)」と「リサーチキット(ResearchKit)」にワトソン基盤のアプリケーションを統合することでIBMと協力する。健康に関する個人データの収集と、それらのデータを臨床試験に利用することを可能にすることが目的だ。

 一方、膝および股関節インプラント製造大手のJ&Jは、膝の手術前後の患者へのカスタマイズド・サービスの提供でワトソンを利用する。

 かたや、インプラント用心臓機器と糖尿病関連製品製造のメドトロニックは、同社のインプラント製品利用患者に関するデータを収集するIoT(Internet of Things)アプリケーションの開発を目的にワトソンを利用する。メドトロニックは、当面は糖尿病関連製品に焦点を合わせる計画だ。

 IBMはこれまでに、医療保険会社アンセム(Anthem)やMDアンダーソン(M.D. Anderson)、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)を含む医療機関と医療目的のワトソン利用について提携している。

 医療データの連携と解析をめぐっては、新興企業のナントヘルス(NantHealth)やフラットアイロン・ヘルス(Flatiron Health)、医療IT大手のサーナー(Cerner)やエピック(Epic)も取り組んでいる。

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