米食品の5%はオーガニック〜もはやニッチの枠超える
- 2015年4月20日
- 米国ビジネス
オーガニック商品は通常商品より割高であるにもかかわらず、近年販売が大幅に伸びており、2014年は前年比11%増の390億ドル超となったことがオーガニック取引協会(OTA)のまとめで分かった。
AP通信によると、米国は2002年、オーガニック商品として販売するための厳しい条件を定めた。それ以降、オーガニック農家の数は3倍に増え、14年は5%増加した(農務省)。
OTA報告書によると、オーガニック食品の国内売上高は今や食品全体の約5%を占める。また、オーガニック商品の伸びの多くは繊維製品やパーソナルケア商品など食品以外から来ており、非食品分野の14年売上高は約14%増の30億ドル以上だった。
オーガニック商品は全米でよく売れているが、特に北東部や西海岸などで大きく伸びている。購入者の73%は白人でヒスパニック(中南米系)は16%、黒人は14%だが、非白人の購入は急増して全米の人種・民族構成比に近くなっている。また、51%の世帯が1年前より多くのオーガニック商品を購入している。
需要の拡大に伴い、ゼネラル・ミルズやケロッグといった食品大手も市場に参入し、小さかったオーガニック食品メーカーも大きく成長して業界は限定市場の枠を超えつつある。一方で業界は大きな課題にも直面している。まず、オーガニック材料が不足している。特に牛乳や卵は、オーガニックな家畜に必要なオーガニックのトウモロコシや大豆の国内在庫が少ないため不足が目立つ。また、オーガニックな土地が不十分なことから、国産のオーガニック野菜や果物も不足している。
不足の原因の1つに、主要な農業地帯で「オーガニック作物は従来作物の質を落とす」と考えられてきたという文化的問題がある。オーガニック作物を作ろうとすると、農家が収穫を増やすために長年使ってきた多くの除草剤が使えない。また従来作物の畑をオーガニックにするには3年かかる。
さらに業界は、ナチュラルとオーガニックの違いを明確に把握していない消費者の混乱とも闘っており、その違いを明確にして商品を売り込むために、農務省の「チェックオフ」宣伝キャンペーンなどを支援している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想