NECエナジー、60メガワットの蓄電設備を供給 〜 大西洋岸のPJM送電網に

 NECの蓄電システム事業会社NECエナジーソリューションズは、大西洋中部地方の送電網を運営する電力卸売り大手PJM(ペンシルベニア拠点)のシステム向けに60メガワットの蓄電設備を構築する。

 グリーンテック・メディアによると、PJMの送電網システムは、大容量蓄電設備の市場を活気付けており、電力関連業界のあらゆる企業がその事業機会の攻略を図っているかのように群がっている。

 NECエナジーソリューションズは、倒産したA123エネルギー・ソリューションズの資産を中国万向集団グループから買い取り、2014年5月に新事業会社として設立された。

 NECエナジーソリューションズは、アマジン・エネルギー(Amergin Energy)およびアクラ・エネルギー・ベンチャーズ(Akula Energy Ventures)と協力して、20メガワットのシステム3基を設置する計画。PJMが運営する大西洋岸地域からイリノイ州にかけての送電網システム内となる。具体的な場所は明らかにされていない。2016年半ばにはフル稼動する見通しだ。

 NECは2014年から2社の提携先と資金調達で協力してきた。新設される設備はアマジンの所有となる。同プロジェクトの金銭的詳細は明らかにされていない。そのため、PJMの圏内で周波数調整サービスを提供しているほかの多くの競合と比べてコスト競争力があるかどうかは不明だ。

 PJMは、蓄電システムや付加制御システムの反応の速い資産に対して高い支払額を設定した最初の独立システム・オペレーターだった。その結果、蓄電システムを活用した周波数調整サービスが活気付いた。

 NECエナジーソリューションズのプロジェクト・マーケティング責任者ロジャー・リン氏によると、PJMの2012年以来の平均支払額は1メガワット時につき40〜50ドルとなっている。

 PJMの圏内でプロジェクトを進めている他社には、200メガワットを開発中の新興企業アリーブ(Aleve)や、100メガワットの開発を手がけるサンエディソン傘下ソーラー・グリッド・ストレージ(Solar Grid Storage)がある。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
  2. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040」を自身...
  3. ニューヨーク市内で「一軒家」を探すのは至難の業です。というのも、広い敷地に建てられた一軒家...
  4. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  5. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  6. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
  7. 日本からアメリカへと事業を拡大したMorinaga Amerca,Inc.のCEOを務める河辺輝宏...
  8. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
ページ上部へ戻る