原発避難で自殺に賠償命令 東電に2700万円

 【共同】東京電力福島第1原発事故による避難が原因で自殺したとして、福島県浪江町の無職五十崎喜一さん=当時(67)=の遺族が、東電に約8700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で福島地裁(潮見直之裁判長)は30日、事故と自殺の因果関係を認め、東電に約2700万円の賠償を命じた。

 判決は「原発事故で遭遇した過酷な経験でうつ状態となり、最終的に自死に至らしめた」とした。喜一さんは糖尿病を患っており、病気が与えた影響なども考慮し「事故が自殺に寄与した割合は6割」と指摘した。

 原発事故と自殺の因果関係を認め、東電に賠償を命じた判決は昨年8月の福島地裁判決に続き、2例目。東電は「判決内容を精査し真摯に対応していく」とのコメントを出した。

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