ワークデイ、ベンチャー基金を設立 〜 データ科学分野と若い新興企業に特化

 カリフォルニア州プレザントンに拠点を構える新興企業のワークデイ(Workday)は、データ科学と機械学習に特化したベンチャー投資基金を立ち上げた。

 同社は、人材管理と財務管理のクラウド・アプリケーション・サービスで成長中で、現在、世界中に950社の顧客企業をかかえる。同社の中核製品である人材管理アプリケーションは、従業員のなかでだれがもっとも優秀な人材になるかや、離職する可能性の高い従業員をデータ分析によって予想することで知られる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社のダン・ベック上席副社長は14日、「今後10年における法人向けソフトウェア業界で勝者と敗者を分けるのは、データをいかに活用して、業務に役立つ製品やサービスを企業に提供できるかどうかにかかっている」と述べた。

 IBMやSAP、セールスフォースといった大手らは、法人向けデータ分析サービスの開発と販促に注力しているが、新興かつ中小のワークデイは、優秀なデータ科学人材と多種多様の人材源にアクセスできるようにすることを強みと位置づけている。

 ワークデイはそれにともなって、中核製品である人材管理の領域から事業を拡大し、法人向けクラウド・アプリケーションのワン・ストップ・ショップとしての地位確立を狙っている。

 新設されたワークデイ・ベンチャーでは、将来的にはワークデイの競合社や提携社、あるいは買収対象になるかもしれない新興企業を早期に発掘して育成し、データ科学とデータ分析の機械学習に革新をもたらす新興企業や起業家、技術者を支配下に置こうと図る戦略だ。

 ワークデイはその手始めとして、起業して間もない初期段階にある新興企業10〜12社に2015年暮れまでに投資する計画だ。同社は、メタノーティック(Metanautix)とシンエアー(ThinAir)、アンバベル(Unbabel)、そしてジョブル(Jobr)の4社に投資する方針をすでに決めている。

 メタノーティックは、数多くのデータ源を統合して供給網管理を効率化するデータ・システムを開発しており、シンエアーは、データ解析からパターンを見つけ出して不正行為の可能性を特定する分析ソフトウェアを開発している。

 一方、アンバベルは、機械学習とクラウドソーシング(crowdsourcing)を使うことで外国語の翻訳機能を提供し、ジョブルは、求職者らがスマートフォンから申し込めるようにするプラットフォームを開発している。

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