配送センターのトイレ清潔に〜消費財大手、トラック運転手を厚遇
- 2015年8月5日
- 米国ビジネス
消費財大手キンバリー・クラークは、国内トラック配送業界の運転手不足に対応するため、20カ所以上の配送センターでトラック運転手の利用頻度が高いトイレや休憩所を刷新している。運転手らに「あそこは扱いが丁重だから荷物を運んであげたい」と思わせるのが狙いだ。
ウォールストリート・ジャーナルによると、全米トラック協会の推定では、現在国内で3万5000〜4万人のドライバーが不足している。トラック会社は人手不足が深刻化して受注したすべての荷物を運べなくなると、立ち寄り先を一部飛ばす可能性があり、飛ばされた荷主は運送料の上下が激しいスポット市場でトラック業者を確保しなければならなくなり、輸送コスト高や配達の遅れにつながる。
キンバリー・クラークは、配送センターの使い勝手を良くしてドライバーに好印象を与え、立ち寄り先から外される危険を減らそうと会社ぐるみで努力している。輸送責任者のスコット・デグルート氏は「適格な運転手が不足して何千もの荷物が動かなくなっている。何とかこの事態を打開しなければならない」と話した。
同社では過去2年間、ドライバーの使い勝手に気を配るよう配送センターの人員を教育してきた。特にトイレはドライバーからの苦情が最も多い分野で、業者によってはトラック運転手のトイレ利用を禁じるところもある。同社でも以前は簡易トイレしかない配送センターがあり、しかも清潔でなかった。
キンバリー・クラークは現在、配送センターのトイレは清潔でドライバーが使いやすくしており、休憩所にはいす、テーブル、冷水器、スナック販売機などもある。またドライバーが一刻も早く仕事を終えて帰宅できるよう、待ち時間を減らし、荷積み作業を迅速化して、走行距離の依頼もできるだけ短くするよう努力している。また、同社は着荷主(荷物の受け取り手)に対しても集積所の改善を呼びかけている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開