荷主の非能率が走行時間減らす〜トラック業界が報告書

 トラック運転手が不足する中、現在のトラック輸送は非常に効率が悪く、それだけに大いに改善の余地があると指摘する報告書が発表された。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、運送大手J・B・ハント・トランスポート・サービシズは「660分(660 Minutes)」と題した報告書で、「運送サービスの依頼主は、過剰な事務手続きや配送センターでの長い待ち時間といった能率の悪さから、ドライバー1人当たり走行距離にして年間4万4000マイル、回数にして63回分の輸送力を失っている」と指摘した。

 660分はトラック運転手が1日に走行できる時間の上限で、連邦規制は走行時間を11時間、労働時間を14時間までと定めている。しかし、荷物の積み降ろしや安全検査などにかかる時間を差し引くと長くても1日6.5時間しか走っていないのが現状で、能率の悪さは運送料を上昇させ、小売店など荷主の利益率低下や商品の値上げなどにつながっている。

 効率改善につながる技術はいくつか提供されており、ウルトラシップTMS(ニュージャージー州)は、発注データを基に道順を決め、できるだけ停車回数を減らせるようにまとめるソフトを荷主に提供している。エックスマターズ(xMatters、カリフォルニア州)は、日程を変更したい時や荷物の準備が整った時に、小売店側からドライバーの携帯電話に自動的に知らせが入るソフトで荷物の積み降ろし時間短縮を実現させている。

 荷物の送り主の中には、受け手と協力してドライバーが荷下ろしの間待たなくて済むよう、トレイラーを分離して止めておける「ドロップロット(貨物車置き場)」を設置するなど、自ら改善に取り組む例もある。

 J・B・ハントは今年第2四半期、延べ9万3222回のトラック輸送を行い、走行距離は計4700万マイル超となったが、荷物の送り手と受け手が指定時間の柔軟化や積み降ろしの迅速化に積極的に取り組めば、トラック運転手1人当たり年に4万4375マイル多く走れるようになると見ている。

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