バークシャー、金属部品大手を買収〜総額324億ドル

 ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは10日、航空、エネルギー産業向け特殊金属部品の有力メーカー、プレシジョン・キャストパーツ(Precision Castparts、本社オレゴン州)を324億ドルで買収すると発表した。バークシャーによる企業買収としては過去最大。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、バークシャーはこれまでもプレシジョンの株式3%強を保有する有力株主だった。直近の4〜6月決算では投資収益悪化などで前年比37%減益となっており、収益改善策が注目されていた。

 プレシジョンのマーク・ドネガン最高経営責任者(CEO)は、買収手続き終了後も現職にとどまる。バフェット氏は10日の発表で、プレシジョンのCEOが同社を長期間率いられるとの「100%の確信がなければ」買収に同意することはなかったと述べた。

 プレシジョンはエンジン向け鋳造部品など航空産業を主要ユーザーに持つが、石油・ガス掘削用の部品も手がけており、このところの原油安で株価が低迷している。

 バークシャーのこれまで最大の買収は、2010年に完了した貨物鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)の完全子会社化で総額約267億ドル。

 バークシャーの会長兼CEOであるバフェット氏は、約80社を傘下に抱える持ち株会社を円滑に運営する上で、各事業の経営トップに優秀な人材を置くことに細心の注意を払ってきた。傘下企業を含めたバークシャー従業員は34万人を超える。各事業はバフェット氏の介入をほとんど受けない経営者のもとで業績を上げ、毎年の巨額の利益がバークシャーの投資に使われている。

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