石油・天然ガス業界にメタン排出管理義務づけ
- 2015年8月19日
- 米国ビジネス
環境保護局(EPA)は18日、石油や天然ガス業界の掘削作業などに伴うメタンの排出量削減を目的に、新しい連邦規制案を発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、新規制はオバマ大統領が力を入れている気候変動対策の一部で、メタンの大気への排出量を2025年までに12年比で40〜45%削減することを目指す。メタンは二酸化炭素より20倍以上強力な温室効果ガス(GHG)だが、石油や天然ガスの生産、輸送の過程で漏れて放出されることがある。
こうしたメタンを回収すれば、企業はメタン排出量を削減できると同時に、天然ガスの主成分であるメタンを商品にして収益につなげることもできる。しかし、エネルギー業界はすでに原油安で利益が圧迫されており、EPAの新規制案にはコストのかかる管理を強いられるとして一部から反発が出ることは必至と見られている。
新規制は、メタンの漏れを防ぐための技術を導入し、作業を監視して漏れを防ぐよう企業に義務づける内容で、EPAが一般からの意見公募を経て16年に最終決定する予定。業界幹部やEPAによると、多くの企業はすでにモニター用の機材を導入しているという。
連邦エネルギー情報局(EIA)の統計によると、シェール(頁岩、けつがん)層の資源採掘などで掘削技術フラッキング(水圧破砕法)が普及した結果、 国内の石油生産量は05年以降これまでにほぼ倍増し、天然ガス生産は約50%増加している。
この間、業界のメタン排出量は12年までに約15%減少したが、EPAは「今対策を講じなければ、向こう10年で25%増加する」と見ている。
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