エアバッグ、タカタ製から他社製への移行進む

 これまで8人の死者と130人の負傷者を招いたタカタ製エアバッグから他社製品への移行が、自動車メーカーの間で進んでいる。ホンダはオートリブやダイセル製のエアバッグを採用し始め、FCAもインフレータのデザイン自体を刷新、TRW製に完全移行した。トヨタも日本化薬(東京都千代田区)に、16年7月〜20年で1300万個以上のインフレータが納入できるよう生産の拡大を要請したとロイター通信が伝えている。

 6月のインフレータ生産はオートリブ、ダイセル、ZF TRW製が全体の50%に上った。16年3月には68%に達すると予想されている。

 日本では交換用エアバッグの不足に直面しそうだと、ブルームバーグが指摘している。トヨタやホンダ、日産は、米国での調査リコール規模拡大後、日本国内でもその規模を拡大した。世界で4000万台のリコールのうち日本国内での台数は980万台に上る。古い型の自動車と、日本当局に破裂のリスクが高いとされている型の修理を優先的に進め、それらの約87%は修理が完了しているが、調査リコール車も含めるとリコール車全体の約30%に過ぎない。

 日本では2015年6月、自動車のリコールに向けた国土交通省の強制調査権の対象を、これまでの自動車メーカーのみから部品製造会社に広げる、改正道路運送車両法が成立した。タカタ製エアバッグの欠陥による日本でのリコールが741万台にのぼったことを背景に、部品会社も国が直接調査できるようにした。政府の監督力を強化することで、リコールの加速を目指している。

 タカタも交換キットの開発と供給を進めている。同社の2014年度決算では赤字を計上したが、15年度には別事業によって黒字に戻ると見込んでいる。破裂の根本原因の究明も並行して行っており、リコール規模を縮小するためにも、早期解明が求められている。

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