車両生産、中国から米独回帰へ〜産業ロボットの値下がりで

 高度な産業ロボットのコストの低下を背景に、自動車生産工程の一部が中国から北米やドイツへ回帰する動きが生まれている。

 ロイター通信によると、マグナ・インターナショナルのドナルド・ウォーカー最高経営責任者(CEO)は、フランクフルト自動車ショーで記者団に対し、中国の人件費高騰や、電気自動車(EV)用電池など重い部品の欧州への輸入コストの拡大で、自動車メーカーの間では本国に近い工場で自動化された製造システムを導入する機運が高まっていると述べた。ウォーカー氏は生産工程の進化を指摘しながら「問題は、世界各地でどれだけ速く知能ロボットをに肉体労働に置き換えられるかにある」と述べた。

 ボストン・コンサルティング・グループによると、日本や韓国なども含め産業ロボットをすでに導入した国の製造業の人件費は、2025年までに18〜33%低下する見通し。

 ウォーカー氏は、ハイブリッド車やEVの台頭が大型電池の需要を高めていると前置きしながら「車が今後も市場がある所で生産されるとすれば、大型部品やそれに付随する技術は恐らく現地で生産されるようになる」と予想した。

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