車載アプリ、異なる仕様が進出の壁

 スマートフォン用アプリ・メーカーがダッシュボードへの進出を目指す中で、自動車ブランドごとに異なる仕様が大きな壁になっている。

 オートモーティブ・ニュースによると、これまでで最も成功した車載アプリの代表格は、1200万人以上のドライバーが利用しているストリーミング音楽サービスのパンドラ(Pandora)だ。J.D.パワー&アソシエイツが今夏公表した調査結果でも、車載技術の大半が使用されていない現状が明らかになる中で、パンドラだけはドライバーの半数が自動車の購入から90日以内に利用した。

 パンドラは約200車種と互換性を持たせるため、多大なコストと時間を費やしている。例えば、ケーブルを必要とする車種もあれば、無線接続が可能な車種、あるいはスマートフォンを経由する車種もある。

 パンドラには多彩な仕様に対応できるだけの資金力があるが、小規模のアプリ開発業者は自動車業界が規格を確立するのを待つしかないのが現状だ。

 パンドラと競合するアイハートラジオ(iHeartRadio)のゼネラル・マネジャー、オーウェン・グローバー氏も多様な仕様が参入の壁になっていると説明。「サムスン電子もソニーも同様の問題を抱えている。あらゆる種類の初期段階の技術プラットフォームが存在する」と語った。

 フォードは、車載情報娯楽システムとスマートフォンを連携させるプラットフォーム「SDL(SmartDeviceLink)」を開発し、他社にも採用を呼び掛けている。トヨタは、現時点でアップルの「CarPlay」やグーグルの「Android Auto」を採用する計画を明らかにしていないが、SDLの活用に関心を示している。

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