米国歳入庁(IRS)が、スティングレイ(Stingray)と呼ばれる監視機器を所有する13番目の連邦政府機関となっていたことが判明した。
スティングレイ機器は、「セル・サイト・スティミュレイター(cell-site stimulators)」とも呼ばれるIMSIキャッチャー(IMSI-catcher=International Mobile Subscriber Identity)。簡単に言えば、携帯電話通信塔になりすまして携帯電話トラフィックを傍受し、携帯電話利用者の動きを追跡できる盗聴機器だ。
フォーチュン誌によると、IMSIキャッチャーは、国家安全保障や凶悪犯罪組織捜査にかかわる諜報活動に使われてきたが、「IRSでさえそれを導入したとなると、政府内でその利用がどれほど拡散しているのかを物語る」と米人権擁護団体の米自由人権協会(American Civil Liberties Union)のネイト・ウェスラー弁護士は話し、国家権力を傘にした人権侵害の恐れに警鐘を鳴らしている。
連邦政府機関の支出記録を調べると、IRSは2009と2012年に、IMSIキャッチャー製造元のハリス・コーポレーション(Harris Corporation)に購入代金を支払い、使用訓練費として6000ドルを払っている。
IRSは、たくさんのIMSIキャッチャーを購入して2000〜3000人の「特別捜査官」を雇い、税金がらみの犯罪行為の捜査を強化している。
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