通信基幹施設向け製品とソリューションを提供するコムスコープ(CommScope)のアジア太平洋データ・センター事業運営部長ジェイムズ・ヤング氏は、これからのデータ・センター業界について、無駄を削減し環境にも優しいインテリジェント・データ・センターに移行するという見方を示した。
データ・センター・ノーレッジ誌に寄稿したヤング氏はそのなかで、データ・センター利用企業にとって、クラウド電算の価値を最大限に引き出せるかどうかは、自社とクラウドを結ぶ通信網の堅牢性や機能、容量に依存する部分が大きいと指摘した。
また、強力な通信基幹施設は、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)と世界規模の機械間(M2M)通信を実現するためにも必要不可欠だ、と同氏は話した。
IoTアプリケーション向けに各種の検知器で収集する大量のデータを処理するデータ・センターは、データの広域通信網移動にともなう遅れや費用を抑える必要がある。
データ・センター開発の焦点はいまや、「接続性」と「効率」に移行し、データ・センター事業者は競合他社の動きや各国政府の規制動向にも柔軟に対応する必要がある。
また、グーグル(Google)やフェイスブック(Facebook)のような大手企業が開発したデータ・センター機器が、データ・センターの設計や構築方法に大きな影響を与えていることも特筆に値する、と同氏は指摘する。
データ・センターは、1台の大型機械ですべてを処理する時代から、同じことを数千台の小型機械で処理する時代へと移行し、それによって資源の最大化とリスク分散、電算費用削減が可能になった。そのことは、IT業界の均衡を壊しかねないビジネス・モデルと戦略の変化と言える。
近年は、システム・オペレーターや通信サービス会社(キャリヤー)のあいだでデータ・センターを統合し、費用削減と事業規模改善を目指す動きがある。また、データ・センターを地理的に分散させ、既存顧客へのサービスを向上させる試みも散見される。
ITおよびソフトウェアのニーズをすべて外注するデータ・センター事業者もあれば、そうでない事業者もある。いずれの場合も、それがうまくいくかどうかは通信網の機能や容量に依存する面が大きい。データ・センターの将来の成功のためには、戦略に沿った計画をいまから立てることが好ましい。
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