コカ・コーラ支援の肥満研究団体が解散

 コカ・コーラとの関係で批判を浴びていた非営利の肥満研究団体グローバル・エナジー・バランス・ネットワーク(GEBN)が、このほど解散した。

 ニューヨーク・タイムズによると、GEBNは著名な肥満研究者でコロラド大学の教授であるジェームス・ヒル氏が代表を務めていたが、今年8月にコカコーラが資金提供しているという事実が報道され「ソフトドリンクと肥満の因果関係は弱いという情報を発信し、肥満の増加に関するコカコーラへの批判をよそにそらそうとしている」との批判が高まっていた。

 11月初めには、GEBNを学内に設置したコロラド大がコカ・コーラからの支援金100万ドルを返納すると発表。同月末までにGEBNウェブサイトからすべてのコンテントが削除され、「資源不足のため活動を停止する」とのお知らせが掲示されている。

 GEBNの資金源に関して最初に疑問を投げかけたカナダ・オタワ大学の肥満研究者ヨニ・フリードホフ氏は、信頼性が失われたための閉鎖と見ており「結局この団体はコカ・コーラのメガフォンだったと思う。メガフォンを維持するための資金がコカコーラから提供されなくなったため閉鎖された。そのこと自体、このグループの設立目的を物語っている」と述べた。

 GEBNは一貫して団体が発するメッセージや科学的報告とコカ・コーラの関係を否定してきたが、学界は厳しい態度で臨み、ハーバード公衆衛生大学院の栄養学部長ら36人の肥満研究者が「コカ・コーラとGEBNは科学的ナンセンスを拡散している」と批判する書簡を発表していた。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

Universal Mobile
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  2. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  4. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  5. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  6. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  7. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  8. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
ページ上部へ戻る