サンフランシスコ拠点の新興企業サムサラ・ネットワークス(Samsara Networks)は、法人向けのモノのインターネット(IoT=Internet of Things)製品を開発した。
サムサラは、無線通信関連新興企業のメラキ(Meraki)を設立してシスコ・システムズ(Cisco Systems)に2012年に12億ドルで売却した起業家が創業したことで知られる。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、サムサラは、IoT技術の開発に注力するシリコン・バレー新興企業の一つで、ビルディング・ロボティクス(Building Robotics)やエレクトリック・インプ(Electric Imp)、ヘリウム・システムズ(Helium Systems)といった新興企業と同様に、IoT関連のハードウェアとソフトウェア、そしてサービスをインターネット経由で包括的に提供する。
IoT関連企業に対する投資家の関心は高く、調査会社CBインサイツ(CB Insights)によると、2010年から2015年9月末におけるIoT新興企業への投資案件は887件に達し、金額は74億ドルを超えている。
サムサラの製品およびサービスは、温度や湿度、振動といった要素を追跡する検知器と、検知器からデータを収集するゲートウェイ端末で構成される。採用企業は、検知器が収集するデータやIoT通信網の監視と管理をサムサラのクラウド・サービスによって実行できるようになる。
鉱業や石油探索といった一部の業界では、検知システムをこれまでも活用してきたが、企業が独自に整備するとなるとコストがかさむという難点もある。
サムサラのサンジット・ビスワズ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)によると、ハードウェア購入や検知器接続費用、IoT通信網の設計と運用の専門家を雇用する費用を合計すると、既存システムは導入するだけで5万〜数百万ドルという高額になる。
それに対してサムサラは、従来なら何ヵ月または何年も要するシステム導入期間を、時間単位または日単位に短縮できる単純化システムを提供することで、導入コストの大幅削減を可能にする。
同社は世界150ヵ国で通信サービス会社らと提携しており、ゲートウェイ端末はそれらの業者のワイファイ(Wi-Fi)または携帯電話通信網によって接続される。
サムサラの収入源は、99〜499ドルのハードウェア製品と、端末ごとに課金するソフトウェアの年間ライセンス料およびサービス利用料。
たとえば、同社のゲートウェイ端末と検知器を各50台使うポンプ監視システムの設置費用は約4万3000ドルなのに対し、従来のシステム導入費用はその5〜10倍にもなる、とサムサラは説明している。
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