ソーラー・パネルと電気自動車(EV)の併用によって、それらを個別に導入した場合と比べてどれだけ金銭的利点をもたらせるかを簡単に計算するためのツールが、ニューヨーク州とカリフォルニア州で提供されている。
クリーンテクニカ誌によると、クリーン・パワー・リサーチ(Clean Power Research)の「ワットプラン(WattPlan)」というツールは、ニューヨーク州では、州のエネルギー研究開発公社(Energy Research and Development Authority)を通じて提供され、カリフォルニア州では、カリフォルニア・ソーラー・イニシアティブ制度を通じて州内民間公益会社の顧客向けに2016年9月末まで提供される。
電気自動車と太陽光発電の併用がもたらす経済的利点を計算するのは複雑な作業だ。電気代や発電システムの規模、電気自動車の充電時間帯を考慮する必要があるためだ。
ワットプランは、利用者の電気使用状況に適した太陽光発電システムと電気料金体系を提案することで、その計算を簡略化している。利用者は、電気自動車の車種と充電時間帯、設置予定の充電機を指定して、自分のニーズに合わせられる。
計算結果は、利用できる奨励金の額、電気代節約の金額、そして環境上の利点で示される。
たとえば、ニューヨーク州の住民が電気自動車と太陽光発電を併用すると、電気自動車の税控除で7500ドル、太陽光発電の奨励策で最大1万1000ドルを受け取れる可能性がある。
電気自動車と太陽光発電を両方とも導入すると、それぞれを個別に導入した場合に比べて大きな奨励金を受けられる可能性が高いは、電気自動車を使うことによって家庭の電力消費量が増えることから、大きな発電システムが必要になり、金銭面と環境面の両方の利点が拡大するためだ。
ワットプランを使った試算では、カリフォルニア州の住宅所有者がソーラー・パネルを導入すると、年間924ドルの節約が達成できると算出された。また、電気自動車を使うと年間764ドルの節約が達成できる。合計は1688ドルだ。
一方、電気自動車を使うという前提でソーラー・パネルの大きさを設定して試算したところ、節約額は年間2339ドルとなった。差額は651ドルで、率にして38%の違いが出た。
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