ロボットや人工知能など新技術の導入が進むことで、世界の主要15カ国・地域の失業者数が向こう5年間に510万人増えるとの予測を、ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)がこのほど発表した。
ロイター通信によると、WEFの報告書「雇用の将来(Future of Jobs)」は、世界の労働力の約65%を占める15カ国・地域で2020年までに710万人が職を失い、新しく200万人が職を得ると推定している。
テクノロジーの進歩を受け、今後は製造から医療に至るさまざまな業界で従来人間が行ってきた作業の多くが機械化されると見込まれ、国連の国際労働機関(ILO)はすでに、20年までに世界の失業者が1100万人増えると予想している。
WEFの調査では、5年間に失われる雇用の3分の2は、決まった作業が小型機器にとって代わられる事務や総務分野が占める見通し。WEFは今月20〜23日に開催される今年のダボス会議の公式テーマを「第4次産業革命」と定めており、ロボット、ナノテクノロジー、3D印刷、バイオテクノロジー分野などの話題を議論する。
WEF報告書によると、雇用の置き換えはあらゆる業界で起きるが、影響度には大きな幅が出る。最も多くの雇用が失われる可能性があるのはテレメディスンが普及する医療業界で、エネルギー、金融サービス業界がこれに続くと見られる。
一方で、データ・アナリストや専門販売員など一部の技術労働者の需要は伸びる見通し。
男女別では、営業、販売、事務、総務分野といった低成長もしくは縮小分野に多い女性への打撃が大きく、男性は1人雇用されるごとに約3人が職を失い、女性だと1人の雇用によって5人以上が失職すると予想されている。
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