バークレイズ、自社システムを自分で攻撃 〜 ハッカーよりさきに弱点を特定

 ロンドン拠点の銀行大手バークレイズ(Barclays)は、サイバー犯罪者らの先を越すセキュリティー対策をとれるようにするために、自社のコンピュータ・システムをみずからハックしている。

 同社の最高情報責任者(CIO)に2月に就任したトロールス・オーティング氏は、レッド・チームと呼ばれる特別班を編成し、自社のデジタル防御策を攻撃している。

 ブルームバーグによると、同氏の狙いは、自社のコンピュータ・セキュリティー・システムに脆弱性がないかどうかを自分で攻撃することで調べ、見つかった場合にはハッカーたちに攻撃される前にそれを修繕することだ。

 「われわれは、サイバー犯罪者らがわれわれのシステムにどのように侵入するかを具体的に想定して対策をとっている」「そこで、レッド・チームがサイバー攻撃をしかけることで、われわれのシステムがそれをいかに検知でき、侵入を防げるか、そして対抗できるかを検証している」と同氏は説明する。

 バークレイズは対企業サイバー攻撃の激化を問題視しており、サイバー防御戦略予算を20%増やして防御策の強化に注力している。レッド・チームによるハッキング試験はその一環だ。

 金融機関は、小売チェーン大手と並んでハッカーらの標的となる代表的な業界だ。

 セキュリティー技術会社カスペルスキーの調べによると、これまでに30の国や地域で100社以上の銀行のシステムが侵入され、約360億円の被害が分かっている。金融機関は、侵入されても報告しないことも多いため、実際の被害総額はその3倍とも言われる。

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