生体認証の決済技術が米国で広まり始めている。
CNBCによると、米国では2020年に、手のひらをかざして決済できる技術「アマゾン・ワン(Amazon One)」をアマゾンが発表し、2023年には同社傘下のホール・フーズ(Whole Foods)500店舗に同技術を導入した。かたやマスターカードは、ポップID(PopID)と協力し、顔認証による決済システムを2022年にブラジルで試験導入し、成功を収めたと判断した。マスターカードは2023年に、アジア太平洋地域で生体認証決済を導入するためにNECと提携したと発表した。
ポップIDがJPモルガン(JPMorgan)と交わした最近の契約は、同技術が米国内で受け入れられつつある兆候だとみられている。ポップIDのジョン・ミラーCEOは、2024年が顔認証技術の「大躍進(大きな打開、突破)」の年になると話している。
中国では生体認証決済システムが比較的成熟している。アリペイ(AliPay)が2015年に導入した顔認証システムは、ファストフード店を含むあちことに導入済みだ。
顔認証決済は、キャッシャーで決済する際に画面上のボタンで顔認証を選択して、カメラをほんの一瞬見つめるだけで支払いを処理できる。クレジット・カードやスマートフォンを取り出す手間がなく、利用店のポイント制度といった特典制度にも購入記録が登録される。
生体認証技術を使うことに抵抗を感じない人は増えている。多くの人は顔認証よりも指紋認証を好むが、フィンテック情報誌ペイメンツ(PYMENTS)が2023年に実施した調査では、Z世代(Generation Z、1997年から2012年に生まれた世代)は指紋や認証語を使う認証よりも顔認証を好むことが判明した。
ジュニパー・リサーチ(Juniper Research)では、生体認証決済の世界市場が2024年から2028年に100%成長し、生体認証を活用したモバイル決済の市場が2025年には3兆ドルに達すると予想する。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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