農家から科学者までだれもがもっとも正確で超局地的な気象データにアクセスできる世界が近い将来に実現するかもしれない。ギリシャ拠点の地域社会主導新興企業ウェザーXM(WeatherXM)は、ウェブ3とモノのインターネット(Internet of Things=IoT)技術によって、動く気象観測所群の分散型連携網を構築することで、それを実現しようとしている。
コインテレグラフ誌によると、同社が目指す分散型気象観測ネットワークによって、利用者らは自分にもっとも関係ある観測所からデータを入手でき、包括的で信頼性の高い気象情報源につねにアクセスできるようになる、と同社のマノリス・ニキフォラキスCEOは話している。
「われわれはそれらのデータを使って第三者の予報を番づけし、機械学習を使ってさらに改善し、最善の天気予報の上に構築するという取り組みによって、より正確な予報を提供する」と同氏は説明した。
ウェザーXMの技術は、IoT機器群とヘリウム(Helium)やファイルコイン(Filecoin)のようなブロックチェーン・ネットワークを組み合わせて気象データを保存する。それによってセキュリティーと拡張性を維持しながら、膨大な量の気象データの保存と共有を安全に可能にする。
観測所の所有者らは、同プラットフォームのネイティブERC-20統治トークン「ウェザーXM(WXM)」を特典および報酬として受け取る。WXMはユニスワップ第三版(Uniswap v3)やそのほかのプラットフォームにおいて5月30日に取り引き可能になった。
ニキフォラキス氏は、農業のための正確な天気予報の提供から異常気象災害対策の強化まで、同技術をいかに応用できるかについて、多くの気象観測所の分散型連携網によって、もっとも遠隔地にある地域でも正確な気象情報の恩恵を受けられるようにすることを目指している、と話した。
同社は現在、5000の観測所の配備という節目を迎えている。5月22日には、ライトスピード・ファクション(Lightspeed Faction)が主導したシリーズAの資金調達ラウンドで770万ドルを調達した。
ウェザーXMは、分散型観測所群の連携網拡大と気象データ収集の改善に今後も継続的に注力し、最終的には地球規模での分散型気象データおよび予報システムの構築を目指している。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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