第58回 グルーミング
文&写真/寺口麻穂(Text and photos by Maho Teraguchi)
- 2013年7月5日
うちの愛犬は短毛だからグルーミングとは縁がない…と思っていませんか? 短毛・長毛、犬種に関係なく、すべての犬にグルーミングは必要です。愛犬が自分の足の裏や体を丹念になめているのを見たことのある人も多いと思いますが、あれもれっきとしたグルーミング。グルーミングと聞くと、ペットサロンに行ってシャンプーにカット、かわいいリボンをつけてもらうものと連想しがちですが、実は家庭での定期的なグルーミングは犬を清潔に保つためのみならず、愛犬と飼い主の関係作りにも非常に重要な役割を果たしているのです。
種類と必要性
グルーミングととらえられるものとして、シャンプー、カット、ブラッシング、歯磨き、耳掃除、つめ切りなどが挙げられます。これらすべてを飼い主が行えれば一番ですが、一部または全部をグルーミングサロンでプロに依託することも可能です。設備が整ったバンで出張サービスをしてくれるモービルサロンも見かけるようになりました。また、飼い主が愛犬のシャンプー・ブラッシングをするセルフウォッシュのお店も出現。家のお風呂場やキッチンを汚さなくてすみます。ペット産業の発展で選択肢も増えました。グルーミングは愛犬の衛生管理のみならず、病気やけがの発見の機会にもなるので、飼い主が行わない場合は、なるべく決まった人にやってもらうと変化がわかりよいでしょう。また、流れ作業のようなところは避け、細かいところまでケアが行き届き、飼い主と会話もするプロを見つけることが大切です。うちは愛犬をサロンに連れて行かない代わり、毎週日曜夜にグルーミングを施す時間としています。グルーミングは定期的に行うことが大事。そうすると忘れないし、犬も慣れてきます。うちの犬はグルーミングを始めると私の手をゆっくりペロペロとなめます。これは「きれいにしてくれてありがとう」という意味と解釈していますが、グルーミングは飼い主と愛犬の絆を深める絶好の場。愛情と信頼関係を確認し、連帯感を強める大切な機会なので大いに利用したいものです。
グルーミングのこつ
お風呂やブラッシング中に眠るくらい楽しむ犬もいれば、触られることが苦手な犬もいます。また、苦手な箇所がある犬もいます。しかしグルーミングは不可欠なものであり、日ごろからタッチに慣れさせておくことはいざという時のためにも重要。体に何か刺さったり、食べてはいけない物を口にしたりした場合、飼い主などが触れることができず、命に関わるような事態になっては大変です。また、毛、つめ、歯、耳、目も普段のこまめな手入れが病気の予防になりますが、触れないということで放っておくと後々大変な思いをすることも。グルーミングはパピーのころから始め、きちんと続けていると犬も慣れて嫌がりません。パピーでなくても飼い主が気持ちを込めて、楽しくやると徐々に慣れて犬にとっても楽しい時間になってくるはず。嫌がっている犬には無理せず少しずつ始めましょう。大好きなおやつなどのご褒美を利用するのも手。また飼い主が感情的にならず、例えば音楽やアロマを利用するなどしてリラックスした環境でやること。愛犬の衛生管理と病気予防のために大変重要なグルーミング。飼い主が「仕方ないな…」と絶対にあきらめないこと。自分自身で管理できない彼らをケアしてあげるのは飼い主の務めです。いつもはわたしの素人グルーミングを受けている愛犬ノアですが、一年に一度くらいはプロにお願いして丹念にシャンプー、マッサージ、そしてパックまでやってもらい特別な気分にさせてあげようかとも計画中です。
次回は、「散歩中のマナー」についてお話します。お楽しみに!
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