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日本へ一時帰国スペシャル
案外成田が面白い!
文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)
- 2014年7月20日
日本の空の玄関口。何度も通り過ぎているのに、一度も訪れたことがない。国際的な知名度は抜群だけど、それは空港に限った話。その空港も、最近はライバル・羽田にスポットライトを奪われがちで…。でも実は、温泉あり。アメリカに戻る前の生活用品の買いだめにも便利。ちょっと小粋な「JAPAN」観光までできてしまう。成田って、案外、面白い街なのだ!(*注:商品やイベントなどの情報は、掲載誌発行時点のものです)
成田で観光といえば、なんといっても「成田山新勝寺」だ。地元の人が「お不動さま」と呼ぶ、真言宗智山派の大本山。初詣のナンバーワン・スポットで、正月の3が日だけで300万人が押し寄せる。
ラーメン食べて安否確認!
JR成田駅の改札口を出て左手に、そのまままっすぐ、新勝寺の表参道へつながる商店街がある。その名も「歌舞伎ロード」。なんともJAPANなネーミングが、いい。
歩き出してすぐ、右手に「ラーメンばやし」の看板が見えた。どこにでもありそう、知らなければ通り過ぎてしまいそうな、普通のラーメン屋なのだが、実はここ、外国人フライト・クルーのたまり場として有名なのだ。
人気のメニューは、四川めん、ギョウザと、肉野菜炒め。長旅の疲れを、この店の味で癒すクルーたち。口コミで人気が広がって、もう20年以上になるそうだ。日本の雑誌で、「憧れのパリ、スチュワーデスさん行きつけのお店」なんていう特集がよくあるが、逆バージョンの特集があったら、ラーメンばやしは出ずっぱりになるに違いない。
クルーが集まる理由は、ほかにもある。何冊もの「伝言ノート」。2011年に東日本大震災が起きた後、観光やビジネスで日本を訪れる外国人が減り、成田発着のフライトも減便になった。いつもこの店で落ち合っていた各国のクルーたちも、離ればなれに。お互いの安否が分からず、寂しいんじゃないか。そう思ったオーナーが、気を利かしてノートブックを置いた。一人で来たクルーが、ラーメンを食べながら、そこにメッセージを書き込めるように、と。
ページをめくって、懐かしい友人の文字を見つける。ラーメンばやしは、空で働く人たちのコミュニティー掲示板の役割も果たしている。
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