日本へ一時帰国スペシャル
案外成田が面白い!

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

一杯あおって長生き祈願!

明治5年から続く「滝沢本店」 Photo © Mirei Sato

明治5年から続く「滝沢本店」
Photo © Mirei Sato

(上)Photo © Mirei Sato(中)老舗「後藤だんご屋」。秘伝のあまからソース(下)食べ歩きに最高の「甘太郎焼」

(上)ぴーなっつ最中 Photo © Mirei Sato(中)老舗「後藤だんご屋」。秘伝のあまからソース – 提供写真(下)食べ歩きに最高の「甘太郎焼」 – 提供写真

 歌舞伎ロードをしばらく行くと、「長命泉」の看板が見えた。明治5年創業の「滝沢本店」。立派な造り酒屋だ。

成田周辺は、「馬の背」にたとえられるように土地が盛り上がり、自然に水が湧き出ている場所があるそうだ。昔から、成田の水を飲んでいると長生きする、と言われるほど。そんな地下水脈からくみ上げた清水で仕込んだ地酒。おいしくないわけがない。
店内で試飲させてもらう。辛口の吟醸酒。しぼりたて。口当たりがソフトでフルーティーな「吟の舞」。飲めば飲むほど長生きできる、か。

もともと日本の「商店街」は好きだ。アメリカ生活が長くなると、日本に帰っても「半分外国人」のような感覚になっているからか、地方の特色ある商店街にはよけいに魅力を感じる。歌舞伎ロードから、新勝寺の表参道へ。あちこちの店をのぞきながら歩いていると、成田は名物だらけであることが分かってくる。

成田山土産ならコレと言われるのが、「なごみの米屋總本店」の栗羊羹。上質の小豆に地元産の大粒の栗が入っている。新商品の「ぴーなっつ最中」も人気。千葉の特産品・落花生を甘く煮て、あんに練り込み、最中に詰めた。ピーナッツバター好きなアメリカ人へのお土産に、よさそうだ。
だんご好きの間で「日本一」ともささやかれる「後藤だんご屋」も、この商店街に控えめに並んでいる。創業は弘化2年(1845年)。「ペリーの黒船」が来るより8年も前のこと、といえば古さが実感できる。

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