ガラパゴスの旅〜前編

文/矢田侑三(Text by Yuzo Yada)
写真/カズ高橋(Photos by Kaz Takahashi)

 

アオウミガメ Photo © Kaz Takahashi

アオウミガメ
Photo © Kaz Takahashi

2日目

  • イサベラ島

  • フェルナンディナ島

 朝、起きるとイサベラ島の絶壁が目の前にそそり立っていた。天気は上々。ディンギーで岸壁に沿って見て回る。1羽のガラパゴス・ペンギンが岩の上でポーズをとるように止まっている。動物園で見るペンギンと比べると小柄だが、やはり胸が白く背中が黒い。

 ペンギンの近くには飛べない鵜が数羽岩の上で体を乾かしていた。鵜の仲間としては世界で唯一飛ぶのを止めてしまった鵜だ。それでも小さい羽を広げて岩をよちよち下りて海に入り、魚を捕る。

 私たちはディンギーから海に飛び込んだ。ごくごく小さいエビが無数に泳いでいる。この豊富なプランクトンがガラパゴスの海の生態系を作っている。数匹のウミガメに出合った。ゆっくりと前足をひらひらさせ泳いでいる。人が近づいても我関せず。

 突然、海面に鳥山が立ち海が泡立っている。何事かと水中を見ると小魚の群れが逃げていく。その後ろからカツオが数百匹群れをなして追いかける。カツオの背中のきれいな縞模様がくっきりと見えた。カツオと一緒に鳥の群れも遠ざかっていく。

 午後はイサベラ島の向かいに位置するフェルナンディナ島に行く。ディンギーでマングローブの林に上陸した。林を抜けると、岩まじりの浜辺になっている。岩の上には、海イグアナが多数体を乾かしていた。互いに折り重なって動く様子もない。砂浜にはアシカが10頭ほど寝そべったり乳をやったりしている。我々が近づいても逃げたり警戒したりしない。のんびりとした平和な光景だ。

 しかし岩の間にアシカの子供の死体があった。砂の上には干からびた海イグアナの死体も散らばっていた。一見、のどかに見えても自然は厳しいのだと教えられる。
 


 

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