ガラパゴスの旅〜前編

文/矢田侑三(Text by Yuzo Yada)
写真/カズ高橋(Photos by Kaz Takahashi)

 

イサベラ島の王様ガラパゴス・ゾウガメ Photo © Kaz Takahashi

イサベラ島の王様ガラパゴス・ゾウガメ
Photo © Kaz Takahashi

3日目

  • イサベラ島

  • ビーグル湾

 イサベラ島に上陸した。灌木の間を少し歩くと、木陰に陸イグアナがひそんでいた。陸イグアナは海イグアナに比べ色が黄色っぽく、体も大きい。

 更に進むと大きなガラパゴス・ゾウガメが私たちの方に歩いてきた。少し周りを警戒しているのか、首を伸ばしたり、縮めたり。私たちは道の両側に座り、息をのんでカメのお通りを見守る。まるでお殿様のお通りを待つ村人のよう。カメはゆっくりと威厳を持って通り過ぎた。

 島には香木が多く、幹を少し傷つけると樹液が出る。さわやかな香りがして、インセンスになるのだという。小鳥がさえずりながら飛びかっていた。ダーウィンが研究したフィンチだ。時々、木の下に陸イグアナがじっとたたずんでいる。のどかな風景だ。

 午後はビーグル湾へ向かった。1835年にダーウィンが訪れた場所だ。また、捕鯨船や海賊船が嵐を避けるために停泊した所でもあり、岸壁には船の名前や水夫の名前だろうか、いろいろな落書きが見られる。

 170段の急な木製の階段を上ると、青い水をたたえたダーウィン湖が見えた。更に進むと溶岩の岩山。息を切らして頂上に到着すると、溶岩台地がまばらに緑に被われて海までなだらかに続いている。しばし雄大な風景に見とれて、ひと休み。

 アクティビティーの後は、甲板のデッキチェアーで本を読んでうつらうつらする。潮風に吹かれて、このひとときが私にとって幸せな時である。夕食は甲板で魚と肉のバーベキュー。夕日を眺めながら、ワインを傾け、乗客同士でこんな動物を見た、あんな魚を見た、と自慢話に花が咲く。乗客はほとんどがアメリカやカナダから。香港からの若い女性も3名いる。お互いアジア人なので話しが弾んだ。
 


 

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