シリーズアメリカ再発見㊻
Healdsburg 花と紅葉のソノマ紀行
文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)
- 2016年9月3日
- 2016年9月号掲載, カリフォルニア州
![紅葉が美しい、ソノマ・ヒールズバーグPhoto © Mirei Sato](https://usfl.com/wp-content/uploads/2016/08/bike-view-1-e1472682770475.jpg)
紅葉が美しい、ソノマ・ヒールズバーグ
Photo © Mirei Sato
ソノマといえば、ナパと並んで、北カリフォルニアのワインカントリーの雄。オークランドに5年住んだ私にとっては、もう何度も行ったからいいや、と心のタンスにしまいこんだ場所だった。それが、ちょっと発音に戸惑う街から誘いを受けて、その気になった。
ヒールズバーグ。カタカナで表しづらいこの街は、ソノマ郡北部にある。観光客が多い「表」(おもて)のソノマに対して、ここは「裏ソノマ」と言ってもいいかもしれない。
ワインはもちろんトップクラス。特にドライクリーク・バレーのジンファンデルは世界的に有名だ。ナパほど暑くなく、セントラルバレーに比べて涼しい、という気候が、ジンファンデルにちょうどいいという。
![ワイナリーに囲まれた道路を、自転車で駆け抜けるPhoto © Mirei Sato](https://usfl.com/wp-content/uploads/2016/08/biker-1-e1472682888902.jpg)
ワイナリーに囲まれた道路を、自転車で駆け抜ける
Photo © Mirei Sato
ダウンタウンには、小さいが優秀なシェフのレストランが集まっている。でも、グローサリーストアで買うサンドイッチが、レストラン以上に美味しかったりする。そんな場所は、カリフォルニアのワインカントリーにしかない。
「シャトー」のようなワイナリーばかり回ると気疲れしてしまうが、ここではブティックワイナリーも、みなカジュアル。ワインづくりは基本的に農業なのだ、と教えてくれる。それでいて個性的。洗練されたテイスティングルームは記憶に残る。
誘いを受けたのはサンクスギビングの1週間前だった。収穫は終わっているし、ブドウも見られない。正直あまり期待していなかった。ところが、これが大当たり。ホリデー前でほとんどのアメリカ人は家にいるから、どこもすいている。そして何より、紅葉がきれいだ。
![11月末、ブドウも、わずかだが残っていたPhoto © Mirei Sato](https://usfl.com/wp-content/uploads/2016/08/grape-1.jpg)
11月末、ブドウも、わずかだが残っていた
Photo © Mirei Sato
「カリフォルニアには四季がない」などと言う人は、損をしている。どうしてどうして。ワイナリーに、ブドウではなく紅葉を見に行こう。暖かいから、野花も満開だ。そんな場所は、カリフォルニアだけだろう。
最近のヒールズバーグでは、「ワイナリーめぐりは自転車で」が鉄則だ。アレクサンダー・バレー、ドライクリーク・バレー、色づいた山並みを眺めながらペダルをこぐ。秋の高い空が、旅人のこころを軽やかに解き放してくれる。
![自転車をとめて立ち寄って、と呼びかけるワイナリーの看板Photo © Mirei Sato](https://usfl.com/wp-content/uploads/2016/08/bike-wine-sign-2-e1472683068720.jpg)
自転車をとめて立ち寄って、と呼びかけるワイナリーの看板
Photo © Mirei Sato
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