黄金の馬が駆ける! 花びらに包まれて、カジノのフロアをドラゴンが舞う! パンダが剣を振り回す! ハイローラーが我先にと、踊る獅子の口に「お年玉」を入れる! チャイニーズ・ニューイヤー(旧正月)に燃える、ラスベガスを訪れた。(*イベントや情報は掲載誌発行時点のものです)
ラスベガスは、今年の旧正月(1月下旬~2月中旬)を、過去にないほどの盛大な規模で祝った。
目抜き通り「ストリップ」周辺のリゾートホテルのほとんどが、赤や黄色の派手な正月飾りを施した。ホテル正面の車寄せには、でんと赤い横断幕。「Happy Chinese New Year」「恭禧發財」。客を迎えるロビーやフロアのあちこちに、縁起もののバンブーやミカンの木が。
今年の干支「午」(うま)にちなんで、巨大な馬の彫刻もお目見えした。
ベラージオは、縁起がいい数字「八」にちなんで、8頭の馬を風水に従ってあしらった三層の築山や、お金の成る木を展示。
ウィンは、特別に彫刻師を呼び寄せ、高さ9フィート、重さ800ポンドの唐代様式のゴールドに輝く馬をつくり、ロビーに設置した。ニューヨークの有名デザイナー、プレストン・ベイリーが、バラとユリをメーンに11万枚以上の花びらを使って、熱気球と、4頭の馬が駆けるメリーゴーラウンドを製作。シャネルやカルティエなどの高級ブランドが並ぶフロアに、活気と華を添えた。
レストランやバッフェは旧正月の特別メニューを用意。パラッツォでは、中国から来たショー「パンダ!」の限定公演まであり、「心優しきパンダのロンロンが誘拐された婚約者のクジャク姫を救い出すまでの壮大な冒険の旅」を、カンフーやアクロバットで魅せた。
「元日」にあたる1月31日は、リゾートホテルのほとんどで、伝統の獅子舞とドラゴンダンスが行われた。龍に「目入れ」をして、爆竹を鳴らす、本格的な儀式も。龍がカジノのフロアを飛び回り、スロットマシーンやポーカーテーブルの間を踊り歩く。ホテルの客たちは、獅子の頭をなでて福に授かろうと群がった。
馬は、中国では「財運と幸運を運んでくる」象徴だ。鞍にまたがったイメージと馬の疾走する姿から、「リッチになれる、しかも、すぐに」という意味があるそうだ。そう聞くと、ラスベガスにこれほどぴったりのシンボルもほかにないような気がしてくる。
旧正月最初の週末は、ちょうどプロ・フットボールの決戦「スーパーボウル」の週末と重なったので、ラスベガスには「賭け屋」や、観戦パーティーを開くファンたちが集結していた。街中にあふれる「馬」のサインを見て、「今年はYear of the Horseなの? だったらブロンコスの勝利は間違いなしだ!」と興奮するデンバーのファンも結構たくさんいた。ただこれは、完全にハズレてしまったけれど…。
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