
このサインの真ん前で、毎日オフ・リーシで犬をうろうろさせる飼い主もいる
Photo © Maho Teraguchi
リーシなしで犬を散歩させ、道行く人に不快な思いをさせたり、他の犬とケンカになったり、また自分の犬の用便処理をしなかったり、変な物を拾い食いして病気になったり、あげくの果てには、愛犬が交通事故に遭い、大怪我や死亡事故に至ったり…。それでも、リーシを使わない飼い主は後を絶ちません。今回は、何度も取り上げてきた話題を再び書くことで、読者のみなさんにもう一度「リーシの意味」を考えてもらいたいと思います。
どこまでも怠慢
アメリカの多くの地方自治体には、犬の飼い主に対するリーシ法が存在します。飼い主は愛犬を公共の場に連れ出す際に、6フィート以下のリーシで犬をコントロールする義務があります。これは、飼い主が愛犬及び、周囲を守るためです。私は、公共の場でリーシを使わず、飼い犬をうろつかせる飼い主は、どこまでも怠慢だからなのだろうと思います。こういう法律が存在することを知ろうとしない怠慢さ。法律を知っていたとしても、その意味をきちんと理解せず、守ろうとしない怠慢さ。世の中には犬が苦手で、怖いと思っている人が一杯いることを気に留めず、他人の気持ちを察さない怠慢さ。また、本当はリーシを使いたいとは思いつつ、トレーニングをするのが面倒で、もういいかと諦める怠慢さ。
恰好良い!
リーシなしで外に連れ出せることを「恰好良い」と考えている飼い主もいるでしょう。確かに、一見恰好良く見えないこともありません。しかし、愛犬と周囲を守るという根本の責任を考えたら、その恰好良さも「愚か」に映ります。私は、飼い主と愛犬がリーシで結ばれ、息ピッタリで歩いている姿ほど格好良いものはないと思います。「うちの犬はばっちりトレーニングされているからリーシなし」という言い訳を使うくらいなら、リーシ歩行が完璧に出来るようトレーニングすべきです。また、「うちの犬は誰にも超フレンドリー」と言って、自分の犬を断りもなしに人に近づける飼い主は、犬が怖くて心臓発作を起こしそうな人の気持ちを考えるべきです。他の犬が苦手な犬に、リーシなしの犬が駆け寄って行ったことで、その犬にまた嫌な経験をさせトラウマを与える。大迷惑です。「愛犬に自由をあげたいから」という飼い主は、この世の中は人間のルールで回っていて、犬には危険が一杯。そこで愛犬を守るのは飼い主ということを理解すべきです。
リーシは、飼い主と愛犬のコミュニケーションが図れる大切な道具です。また、リーシは、外に出た際、飼い主が愛犬を守れる一番大事な道具です。それを「命綱」と言っても過言ではないでしょう。どうしてその大切さが理解できないのか? やはり、私には疑問で仕方がありません。
次回は、「対犬タイプ」と題し、犬が同類の犬と接する際の、心理と行動のタイプについてお話します。お楽しみに!
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