日本産の柿、米国へ輸出解禁
〜和歌山県の富有柿を初出荷〜

2017年10月、病害虫の防除や農園の事前登録などの条件を満たし、日本産の生柿はアメリカへの輸出が解禁となった。これを受け、和歌山県はいち早く米国への出荷を決定し、国内からの初輸出へと踏み切った。

和歌山県内では、JA紀北かわかみ管内2カ所とJA紀の里管内1カ所の合わせて3カ所の柿畑が、アメリカの厳しい検疫条件をクリアしている。12月18日(月)には、JA紀北かわかみが管理する九度山町内の畑で11月20日に収穫された柿108ケース、およそ800キロがアメリカに向けて出荷された。

今回出荷された柿は和歌山県の代表的な甘柿ブランド「富有(ふゆう)柿」だ。出荷日当日は、九度山町にあるJA紀北かわかみの選果場で出発式を開催。フォークリフトで柿を詰めた約100ケースの箱がトラックに積み込まれ、県やJAの関係者など約70人が見送った。

JA紀北かわかみの宮崎卓郎代表理事組合長は、「全国のトップを切ってアメリカという大きな市場に進出でき、大変嬉しく思う。カリフォルニア州に住むおよそ500万人のアジア系アメリカ人を開拓したい。また今後は刀根早生(とねわせ)柿の輸出に向けても、規模を拡大していきたい」と意欲を示した。

今回出荷された柿は一旦東京へと運ばれ、同月23日(土)の船便で約2週間かけてアメリカへと輸送される。2018年1月初旬にロサンゼルスの港に到着し、同月13日(土)からカリフォルニア州の日系スーパーMitsuwa、Marukai、Nijiyaで販売される。また、飲食店3〜5店では柿を使ったメニューを提供することも決定しているという。

出発式の様子

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