美酒と器
- 2022年12月6日
- 2022年12月号掲載
お酒の味わいを大きく左右するものの一つが、酒器だ。適切な素材、形の器を選ぶことで、お酒は何倍もおいしくなる。本特集では日本酒や焼酎、ビールなど、それぞれのお酒に合う酒器の選び方から冬におすすめの飲み方まで、知っていればもっと楽しくなるお酒の嗜み方を紹介する。
酒器の種類
酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来の魅力を最大限に引き出すことができず、酒器選びは実はとても大切なポイントなのだ。ここでは日本酒、焼酎、ビールそれぞれの器の種類やお酒との相性について解説する。
日本酒
材質 磁器基本的にどんな日本酒にも合う万能な材質。熱燗で飲むと、温度がじんわりと伝わるため口当たりがよく感じられる。
陶器陶製の器は味に丸みを与え、日本酒をまろやかにしてくれる。コクのある日本酒、旨みの強い日本酒に向いている。
ガラスガラスは無味無臭なので、日本酒本来の味と香りを感じやすい。シャープな切れ味の大吟醸や冷酒、微発泡酒などに合う。
木製スギ材やヒノキ材などがある。木の香りや温もりとともに日本酒を味わえるので、癖のある日本酒より主張の少ない日本酒がおすすめ。
錫製錫の持つイオン効果が日本酒の雑味を分解し、味をまろやかにするといわれている。熱伝導率が高く、熱いものも冷たいものも温度をキープできる。
酒器の形 つぼみ型器の下部が膨らんでおり、飲み口がすぼまっている形状。香りが封じ込められて広がりにくいため、スッキリと飲みたい時におすすめ。また、鼻を近づけると閉じ込められた香りがしっかり感じられるので、お米本来の旨みや芳醇な香りを楽しめる純米酒や古酒に合う。
ストレート型ほかの形状に比べて1番変化が少なく、お酒の味わいをすっきりとストレートに感じられる。香りが立ちにくいため、日本酒の香りが苦手な場合やお酒の癖が強いと感じた時におすすめ。吟醸酒の香りを楽しみたい時には向かない。
お椀型甘口、辛口にも合うオーソドックスな形。飲み口が広く空気と触れる面積が広いため、香りが広がり味が丸く感じる。スパークリング酒には合わない。
ラッパ型底に対して飲み口がラッパのように広がった形状。香りをもっともよく立ち上げてくれるので、吟醸酒や大吟醸など香り豊かな日本酒がおすすめ。
器の厚さも重要。厚みがあるものはお酒を柔らかく穏やかな味わいにし、薄いものはシャープで繊細な味わいにする。
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