わかりづらくて困ってしまう!〜日本の行政手続き・専門手続き方法の調べ方〜

米国に居住し生活していても、永住者(日本国籍)は元より米国籍を取得した元日本人の方も含め、日本国内の手続きが必要となる場面は少なくありません。永住者であればそもそも日本国籍ですから、国籍や戸籍証明書など身分に関する手続きが発生しますし、米国籍でも過去の日本での記録、税金、日本に居住する家族・親族に関わる証明、相続、介護、日本にある保有資産(預金、有価証券、不動産など)の管理などさまざまです。しかし、生活拠点が米国ですから普段なじみのないこうした日本の手続きについては知識がなく、いざ手続きしようと思っても何をどこから始めればよいか分からないのではないでしょうか?また、手続き方法を管轄の窓口に問い合わせても、電話が話中でなかなか通じないと時間差のある米国からの手続きはかなり難しいものとなります。日本にそういった手続きについてサポートしてくれる身近な親族や知人がいれば良いのですが、そうでない場合はかなり苦労すると思います。

そこで今回は、日本の手続き方法を調べる際のコツを紹介したいと思います。

1.対象となる手続きの窓口がどこの機関、団体が管轄しているかを確認する

日本に限らず行政(いわゆるお役所)については、国、地方(都道府県、市区町村)と管轄が分かれています。こうしたタテ割り型のしくみがあるため、別の機関の窓口に問い合わせても情報は得られません。また、最近では経費削減で役所の担当者が減っているため、電話をしても話中でつながらないケースも増えています。米国から何度も電話をかけ続けてやっとつながったのに、違う役所に連絡してしまい「ここでは取り扱っていません」と言われたら、結局1日浪費することになってしまいます。これではなかなか前進しないし、精神的にも疲れてしまいますね。したがって、まずはインターネットなどでその手続きを管轄する役所や窓口がどの分野(住民登録、国籍、戸籍、税金、社会保険、など)か、またどのレベルの管轄主体(国、都道府県、市区町村、その他〈外郭団体、民間企業〉)かを意識すると良いかと思います。

2.分野ごとにどのような管轄する役所や窓口があるのか

以下、具体例を紹介します。

税金の窓口:税務署、市区町村役場、主税局など

所得税や相続税なら国(国税局管轄で全国に税務署が窓口)、住民税や固定資産税なら市区町村(全国の役所・役場が窓口)、法人や個人の事業税は都道府県(都道府県管轄で全国にに主税局がある)となります。

身分の証明(戸籍、住民票)、社会保障の窓口:市区町村役場

身分の証明関係として、戸籍(国籍も含まれる)は本籍地住所のある市区町村の役所、住民票は以前居住していた市区町村の役所が窓口になります。また国民健康保険や介護保険などの社会保障、マイナンバーは住民票(住民登録)と連動しているため以前居住していた市区町村の役所が窓口になります。日本へ永住帰国する場合も住民登録は市区町村の役所が窓口になります。

年金の窓口:日本年金機構(年金事務所)、共済組合など

公的年金(厚生年金、国民年金)は国(正確には厚生労働大臣から委任された外郭団体「日本年金機構」で、全国にある年金事務所が窓口)、共済年金も国(同様の外郭団体で各地域の「共済組合」が窓口)となります。ただ、国民年金の手続きについては日本年金機構から市区町村役場に再委任されていて、市区町村の役所の窓口でも手続きできます。また年金とつくものに民間の保険会社、郵便局、金融機関が提供する各種の積立年金商品があり、それらは各金融機関が窓口となります。

不動産の窓口:税務署、市区町村役場、法務局など

不動産の場合、売買や登記(購入時、相続時)の際に手続きが必要で、主に税金に関するもの、不動産名義(所有権)の登記や変更に関するものがあります。税金は不動産から収入(所得)がある場合(譲渡、賃貸、相続・贈与などのケース)や、登記時の登録免許税については管轄が国(全国の税務署が窓口)、不動産の所有にかかる税金(固定資産税など)は地方(市区町村の役所が窓口)になります。また不動産の登記(登録、変更)についての管轄は国(全国にある法務省〈法務局〉の支所、出張所が窓口)になります。

在留資格の窓口:出入国在留管理庁(旧入国管理局)

米国籍を取得された方が日本へ帰国、住民登録する際に必要となる在留資格の管轄は、国の機関である法務省の出入国在留管理庁(各都道府県に窓口がある)になります。一見、海外関連の手続きなので外務省や、戸籍とも関連するので地方(市区町村の役所)と混同しがちですが、外国人の日本での滞在(居住、就労)許可に関することは法務省になります。

3.海外の各都市にある日本領事館の位置づけはどうなっているのか

日本は外務省の所管する在外公館として各国に総領事館または領事館を設置しており、その目的(業務)は自国民の保護、査証の発行、証明書の発行、他国の情報収集、友好親善などです。外務省ということで国の管轄なのですが、その国の在留邦人(日本人)を保護、サポートする目的で戸籍等公文書の取得や婚姻・死亡届などの一部行政手続きも受け付けています。受け付けるだけですので、必要書類を日本の管轄機関に郵送することになり時間がかかります。一昨年、昨年はCovid-19による航空機の減便でこの郵送に時間がかかっていましたが、今は大分改善されているようです。

いかがでしょうか?各手続きが分野別の他、管轄する役所・団体のレベル(国、地方、外郭団体、民間)によっても切り分けられている点を知ると少し理解しやすくなるかと思います。

なお、日本で必要な手続き、管轄の役所を調べてみたがどうしても分からない場合は、弊社でもアドバイスしていますので必要な時はご相談ください。

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

早稲田大学理工学部卒業後、総合商社入社。その後子会社、外資系企業等IT業界で開発、営業、コンサルティング業務に従事。格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続きの代行サービスを多数手がける。またファイナンシャルプランナー、米国税理士、宅建士、日本帰国コンサルタントとして老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、不動産管理、就労・起業、税務等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービス(各種証明書の取得、介護・葬儀・相続など日本在住の老親のサポート)を行う。

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