アマゾン、イベント入場券販売に進出へ

 オンライン販売とクラウド電算サービスの最大手アマゾン(Amazon.com)は、イベント会場の所有会社らと提携することで入場券のオンライン販売業に進出する。
 
 ロイター通信によると、イベント入場券の販売市場では、チケットマスター(Ticketmaster)が圧倒的支配力を握っている。しかしチケットマスターはオンライン販売に高額の手数料を課すことから、消費者の間では不満が募っている。そうした不満の解消と入場券の販売増を図って、イベント会場施設の所有会社やイベント主催業者(NFLやMLBといったプロスポーツ団体、娯楽興行サービス会社など)は入場券販売網の多様化を模索している。
 
 入場券販売は利益率の非常に高い商売で、アマゾンは同市場への進出を以前から狙っていた。今回の提携は、アマゾンとイベント業界の思惑が合致した格好だ。
 
 アマゾンは、英国では2015年から入場券のオンライン販売を始めており、順調な成果を挙げている。
 
 16年のチケットマスターの初期入場券販売高は16億ドルで、再販サービスからは2億5000万ドルを売り上げた。
 
 アマゾンは以前、チケットマスターとの提携を画策したことがあるが交渉が決裂した。入場券再販サイト最大手スタブハブ(StubHub、イーベイの子会社)とも提携しようと打診したが、まとまらなかった。
 
 米国内ですでに億単位の消費者情報を持つアマゾンが同市場に参入することで、チケットマスターとスタブハブの市場の一部は間違いなくアマゾンに奪われることになりそうだ。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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