先進技術で開発される軽量の高強度鋼が、アルミニウム導入の流れを止めるかどうか注目されている。
世界各地での燃費基準強化を受け、自動車メーカーは軽量化につながるアルミニウム部品を積極的に使うようになったが、鉄鋼各社も黙ってはいない。AKスチール(AKS)はオートモーティブ・ニュースに対し、2021年までには自動車メーカーが最新の合金を使うようになり、早ければ19年に使えるものもあると述べた。
今後投入される鉄鋼は、アルミより強く、コストがか低く、ほとんど同じくらい軽いという触れ込みで販売される見込みだ。米国では前政権が定めた厳しい燃料基準を現政権が緩和しようとしており、自動車業界にとって燃費よりコストの方が重要になる動きも見られる。
AKSによると、メーカーにとって費用対効果が最も高いのはパワートレインとバッテリー分野で、そこに低コストの鉄鋼を選択することが最適の解決法になる。
鉄は長年にわたって自動車部品の主役であり、現在も車1台の約55%を占める。アルミは約10%だが、自動車研究センター(CAR)によると使用量はこの3〜5年で増加している。
フォードはトップセラーの「F-150」ピックアップ・トラックでアルミ車体を導入したが、状況は再び変化しつつある。
トランプ大統領は8月、新車の燃費基準を25年までに企業平均で47マイル/ガロン(mpg)に引き上げるという前政権時代に決まった規則を、20年以降は37mpgで据え置く案を発表し、鋼鉄およびアルミニウムの輸入制限も発動した。
AKSのカーク・ライクCOOは、鉄とアルミの費用対効果が再び注目されると見ており「部品の一部はアルミから鉄に戻るだろうし、鉄が使われている部品の大部分がアルミに変わるのを食い止めるのではないか」と話した。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ